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2004年11月15日 (月)

「マーキュリー通信」no.21 【トヨタ名誉会長 豊田章一郎氏講演会 三井とトヨタと人作り】

本日(15日)三井物産社友向け豊田章一郎名誉会長のスピーチを拝聴して、企業と企業の関係は、基本的には個人と個人の関係から出発しているということと、人と人の縁の深さや運命のいたずら等を感じました。
トヨタと三井物産の取引開始は、105年前(明治32年)三井物産名古屋支店藤野支店長がトヨタグループ創始者豊田佐吉氏に面談したのが始まりです。
当時三井物産は、日清戦争後の景気後退局面で、外貨を稼ごうと高品質の綿糸布を探していたが、その中で目にとまったのが豊田佐吉氏の豊田自動織機だそうです。その後、三井物産は、資金的に余裕のない佐吉氏をバックアップし、三井物産と佐吉氏との信頼関係は増していく。今日でも、トヨタと取引のある商社の中で、三井物産が特別扱いされているのは、この佐吉氏と三井物産との信頼関係に遡るそうです。
佐吉氏の起業家精神は息子の喜一郎氏に引き継がれ、トヨタ自動車の事実上の創業者喜一郎氏は、創業に際し艱難辛苦を味わった。そして、戦後ドッジラインと労働争議でトヨタは事実上倒産した。喜一郎氏は引責辞任で社長の座を去った。
昭和25年トヨタは、自工と自販に分離させられ、それぞれ三井、東海銀行の管理下に置かれた。
その後、朝鮮戦争特需でトヨタはよみがえる。トヨタ再建の中興の祖で、当時のトヨタ社長の石田退三氏は、喜一郎氏にトヨタ社長復帰のお願いをする。しかし、喜一郎氏は、社長復帰を待たずに脳溢血で急死。
このお家一大事に、石田社長は、豊田佐吉氏の甥に当たる章一郎氏を招聘する。
章一郎氏は、当時日産ディーゼルに在籍していたのだから、もし喜一郎氏が予定通り社長復帰していたら、現在の章一郎氏はなかったわけで、運命の綾を感じるそうです。
物作りに関し、章一郎氏は科学技術立国の重要性を力説する。IT社会の進展に伴い、いかに経済がソフト化、サービス化しても、物作りにより技術の進歩が促される。メーカー機能なくして、技術進歩に限界が来る。日本の人件費は、中国の20~40倍、東南アジアの10倍も高いが、高付加価値の生産現場の確保は必須である。
章一郎氏は、日本経済のソフト化、サービス化の進展に伴い、日本の技術力、品質の低下を危惧する。技術力を争う技術オリンピックでは韓国台湾に抜かれてしまった。品質を競うデミング賞では、受賞企業数が減少している。
章一郎氏は、トヨタの経営哲学の原点に立ち、「人間が物を作るのだから、人間を育てることが重要」と説く。絶えざるOJT(on the job training)の繰り返しにより、人材を育成し、いかに高付加価値商品に特化していく事が肝要。
又、トヨタでは、4S(整理整頓、清潔、清掃)といった極めて基本的なことをしっかりと行い、それをベースとして、創意工夫、各種提案制度、改善等が出てきて、それが安全、品質管理、能率、原価の低減、競争力の源泉等に繋がり、世界一高い賃金の日本での物作りが可能となってくると力説する。
 さて、私自身、1兆円の経常利益を上げた超エクセレントカンバニー、トヨタに関心を持ち、最近トヨタ関連の書籍を10冊読みました。
これまで、トヨタ式経営はメーカー向けのものと思っていましたが、私のような商社の人間にも大変参考になります。そのような中、三井物産社友向け講演会にトヨタ名誉会長 豊田章一郎氏が登場されることを伺い、物産会に初参加させて頂きました。
尚、私が読んだ10冊の書籍の中でお勧めの3冊をあげるなら、(1)トヨタを創った男「豊田喜一郎」野口均著WAC出版1785円、(2)「トヨタ流」自分を伸ばす仕事術 若松義人著成美堂出版530円、(3)「トヨタ流」自己改善力 若松義人著 経済界1680円がお勧めです。

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