「マーキュリー通信」no.23 【クローズアップ年金】
先日NHK報道番組クローズアップ現代で深刻化する年金未払いを取り上げていた。年金負担の上昇に中小企業が耐えかねて、脱退が続出している。
番組で取り上げたその中小企業は、40名の従業員を抱えており、毎月の利益が100万円。しかし、年金負担は毎月100万円以上で限界を超えていた為に、偽装休業を図り、別の休眠会社で業務再開をしている。法的には、もちろん違法だが、中小企業の社長から、「年金負担で企業が潰れてもかまわないのか」と凄まれると、社会保険庁の役人は返答に窮するそうです。社会保険庁は、見かけの保険料の徴収率アップを図るために、この偽装工作を黙認している。休業中の企業は、年金徴収の対象からはずれるため、保険料徴収率がアップすることになる。
こんな見せかけの報告が上司にいき、役人のつじつま合わせに使われる。
一方、大企業側は、2ヶ月以内の短期労働者は年金の対象外となるため、この制度を利用して、合法的に年金逃れをしている。パート、アルバイト、派遣労働者が過去10年で倍増しているのは政府のゆがんだ年金政策も後押ししているようだ。
更に、企業側は、年金負担の重圧に耐えかねて、雇用政策の転換を図り、社員から個人事業主への切り替えが進んでいる。
世界最小の総合商社マーキュリー物産でも、営業は原則個人事業主又は個人企業との契約にしている。当社では、年金負担の重圧もさることながら、お役所とつきあう事による時間的無駄、お役所の事務の非効率さを民間に押しつけられるから、その事務負担による経費増が馬鹿にならない。当社では、その分待遇で報いている。会社が儲かれば、その分社員に還元するような制度にしています。
又、制度上は、厚生年金を脱退人は国民年金に加入することになっているが、皆この制度は実にばかげた制度で、事実上意味のないことを知っているから入ろうとしない。先日某政治家から聞いた話では、国民年金に夫婦で加入すると、現行年金制度では、月13万円強の受給。一方、年金を払えず、生活保護を受ける所帯では、夫婦で12万円程度もらえるそうです。この事実を知ってしまったら、国民年金などばかばかしくて払えなくなる。
更に、これまで年金を食い物にしてきた官僚、政治家、その利権にぶら下がっている業者が合法又は非合法的に搾取した金額が10兆円という天文学的数字に達していることを知っている国民は感情的にも年金に加入したくないのが当然といえる(「年金大崩壊」岩瀬達哉著講談社1680円参照)。
少子高齢化社会の下では、生活困窮者には国が援助の手をさしのべる一方で、一般国民には年金を廃止し、自助努力に任せる政策にシフトすることがベターなことは分かっている。しかし、長年の利権構造の中で、美味しい汁を吸い続けている連中がごまんといる中では廃止は至難の業です。
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