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2005年4月 8日 (金)

「マーキュリー通信」no.90【今日はお釈迦様のご生誕の日】

 本日4月8日はお釈迦様のご生誕の日です。このお釈迦様のご生誕を機に宗教に関し考えてみました。

 戦後60年が経ちました。日本は奇跡的な復興を遂げ、世界第2位の経済大国になり、ホームレスや野良猫が糖尿病になる豊かな社会となりました。しかし、その反面失ったものもかなりあります。その1つに精神面、心の問題があります。
 戦後日本の統治に当たった米国GHQは、戦前の日本に戻らないように、3つの骨抜きを画策しました。即ち、?@軍事力?A経済力?B精神的支柱としての宗教この3つの骨抜きがベースとなり、戦後の日本国憲法ができあがりました。あれから60年、多少の紆余曲折はあるものの、日本はほぼ米国の思い通りの路線を歩んでいます。

 今回のマーキュリー通信では、?Bの日本人の精神的支柱としての宗教の骨抜きについて考えてみたいと思います。
 戦後60年、米国の軍事力の庇護の下に日本は奇跡的な経済成長を遂げました。反面精神的荒廃は目を覆うものがあります。経済的豊かさの反面、ハングリー精神は失われ、ニートと呼ばれる働かない若者まで数十万人も出現しました。精神的荒廃は、どんな経済不況よりも怖いことを日本人としてもっと認識すべきです。
 日本人は戦前の神風特攻隊、現人神天皇陛下の強制崇拝の反動、トラウマとして戦後一貫して宗教を避けてきました。宗教を真正面から取り組むことに抵抗を感じ、宗教は形式なものとなり、宗教を冠婚葬祭の場に押し込めてきました。そして日本人は宗教音痴となりました。宗教を軽視してきたそのつけが今様々な面に現れてきています。先日取り上げたオウム教の問題などは、まさに宗教音痴が露呈した典型例でした。

 さて、戦後60年を機に、日本人の精神的支柱である仏教をもう一度再評価してみたらいかがでしょうか。そして、仏教を学ぶだけで、現在現れている諸問題を解決する糸口になると思います。
 お釈迦様は8万4千の法を説いたとされます。これは、身分、教養、性別、状況等に応じ様々な対機説法を説いた結果と思われます。お釈迦様の教えの一端を理解し、実践するだけでも人生が変わってきます。
 人生の目的とは、魂を磨き、人格の向上を図ることです。そして、良い行いをたくさんした人は死後天国に還り、悪いことをした人は地獄に堕ちます。そして、人間は何度も何度もこの世とあの世を行ったり来たり転生輪廻を繰り返しています。

 天国は、大変居心地の良いところで、気のあった仲間が暮らしています。衣食住、睡眠の心配もいりません。但し、これでは居心地が良すぎて、魂の向上が余り図れません。従って、魂の向上を図るために、時々この世に降りてきます。
 この世では、人生産まれてから「生老病死」という4つの苦しみを経験します。
 更には、怨憎会苦(オンゾウエク):嫌な人と会う苦しみ、愛別離苦(愛している人と別れる苦しみ)、求不得苦(グフトック):求めても手に入らない苦しみ、五陰盛苦(ゴオンジョウク):五感煩悩が燃えさかる苦しみ。これを四苦八苦といいます。
 いずれも自己中心で、自分よかれと思う心の煩悩により様々な苦しみを作ります。

 しかし、別の見方をすれば、四苦八苦は、その人の魂を向上するための問題集とも言えます。四苦八苦を克服するために、釈迦は八正道を説きました。正見(正しい見解)、正思(正しい考え)、正語(正しい言葉)、正業(正しい行為)、正命(正しい生活)、正精進(正しい精進)、正念(正しい精神の集中)、正定(正しく定にはいる)の8つの反省を通じ、四苦八苦から逃れることが出来ます。
 八正道の教えの中に五戒があります。
(1)不殺生(フセッショウ):「人を殺すな」という意味ですが、これを徹底するだけで、殺人事件が減ります。
(2)不偸盗(フチュウトウ):「盗みを働くな」という意味ですが、万引き、強盗、ピッキング等が減ってきます。
(3)不邪淫(フジャイン):「淫らな性的関係を結ぶな」という意味ですが、この教えが徹底されれば、不倫が減り、現代の男女の乱れた交際が減少し、離婚も減ってきます。\n以上3点が八正道の正業に当たります。
(4)不妄語(フモウゴ):「嘘をつくな」という意味ですが、これを徹底すれば、役人、政治家、大義名分の多いビジネスの嘘が減ります。これは正語に当たりす。
(5)不飲酒(フオンジュ):アル中が減り、賭け事にのめり込んだりする人が減少します。これは正命です。

 私の子供の頃は、上記五戒が少ない社会でしたが、最近はこの五戒をしっかりと学んで欲しい人が、政治家、官僚、経営者を始め、世の中にごまんと存在し、この五戒を徹底するだけで世の中が良くなってくると思います。
 25年前、三井物産?鰍フカナダに赴任する前の研修で、現地で「信仰している宗教は何か?」と聞かれたら、「仏教」と応えるように人事部から指導されました。外国では、信仰する宗教によってその人の人格を判断します。日本人は、人前で平気で、「無神論、無宗教」と応えてしまう人が、教養の高い人でもいます。もし外国で、「無神論、無宗教」と応えたら、その人は、「獣並の人間」と警戒されることを危惧してそのようなアドバイスを受けました。
 日本は、一応仏教国になっています。しかし、イエス・キリストの誕生日を日本国民全員が知っているのに、不思議なことにお釈迦様の誕生日を知っている人は殆どいません。これも不思議なことです。

 本日のお釈迦様の誕生日を機に、日本国民としてお釈迦様のご生誕を祝い、4月8日を仏教を学ぶ日とするようマスコミが啓蒙運動を起こして欲しいと思います。そのことで、精神的荒廃が多少なりとも回復することを筆者として期待します。

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