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2005年4月11日 (月)

「マーキュリー通信」no.91【世界最小の総合商社的経営論6「仏の心と鬼の心」】

 世界最小の総合商社的経営論6で、経営の根底には愛が必要の旨説きました。社員がいかに活き活きと働けるか、これは「活かす愛」ともいえます。
 しかし、いろいろな社員に接してきて、このような「仏の心」だけでは通じない人も結構います。

 昨年、旅行代理店の社長を長年務めたT氏(58歳)を縁故で採用しました。T氏は不景気で代理店を畳んだ後不遇を託っていました。当社に来る前は、鉄工所の作業員として、重い鋼材を運搬する重労働で、年配のT氏には過酷な労働でした。当社に採用されたとき、T氏は、自分の一番得意な営業ができると大変喜び、張り切っていました。
 私も、T氏の営業マンの才覚に期待していました。しかし、T氏の営業実績は全く上がりません。T氏に、Bフレッツ営業でトップセールスマンである上司のやり方をまねるように再三アドバイスしました。しかし、T氏より20歳も年下の部長のやり方を、営業マン一筋でやってきた彼のプライドが許さず、あくまでも自己流を貫き通そうとします。実績が上がらないまま2ヶ月が過ぎ、他の若手営業マンとの差が開く一方です。そして、とうとう3ヶ月目に自信喪失に陥り、1週間無断欠勤してしまいました。
 この時点で、T氏との業務委託を打ち切るべきでしたが、温情でT氏を営業から営業サポートに回しました。しかし、営業失格の烙印を押されたT氏は、営業サポートに身が入りません。周りからも浮いてしまい、職場の雰囲気が悪くなってきたので、心を鬼にしてT氏には辞めて頂きました。

 当社の場合、本人が当社で働く意欲と役割がある限り、定年はありません。しかし、年配者の場合、自らのプライドを捨てることがなかなか難しいようです。傍から見れば捨ててもいいようなプライドなのですが、本人には分かりません。若い人のアドバイスを素直に聞けば、本人も楽になり、その分スキルや能力が上がり、営業成績が上がるのですが、これがなかなか難しいようです。
 又、若い人に対し、「俺の方が年長者で偉いのだ」という態度を知らず知らずに取ってしまう人がやはり多いです。若い人から見れば、「そんなの関係ないよ」と思うわけで、その辺のギャップに気付かない人が多いのも事実です。先日も、親子ほども違う上司と怒鳴りあいの喧嘩をしてしまって、自ら「辞める!」と啖呵を切って辞めていった年配社員もいました。

 一方、昨年、NTTに28年勤務した別のT氏がハローワークの紹介で当社を訪ねてきました。履歴書を見ると、私と同じ55歳なのですが、どうみても60代半ばにしか見えません。直ぐに採用を断ると、フルコミッションでも良いから是非営業として働かせて欲しいと懇願するので、渋々OKを出しました。
 しかし、このT氏、本人がいつも口癖のように「自分の頭はさび付いている」と言っているように、本当に頭がさび付いてしまっていて、理解力が殆どありません。営業能力は皆無で、これでは収入がとれないので、家庭用生ごみ消滅機のモニター募集テレホンアポインターの仕事をさせました。
 すると資料請求の了解を予想以上に取り付けるので嬉しい誤算と喜んでいました。しかし、資料請求の後のフォローアップをしても、モニターをOKする人が一人もいません。おかしいと思ってフォローアップの電話を入れると、「お宅は結構と言ったのに、又しつこく電話をしてきてけしからん」「いいです、って断ったのに、又電話をしてきた」とクレームの嵐でした。
 T氏は、「結構です」「いいです」をOKと勘違いして、資料を送ったことが分かりました。T氏は、NTTをリストラで退職後、離婚しました。その後、事業で騙されて全財産を失い、当社に来る前は一文無しの状態でした。T氏には何とか力になってあげようといろいろな仕事をさせようとしましたが、頭がさび付いていて何をやってもミスばかりで、周りの足を引っ張り続ける状態でした。
 私からは、何度も草むしりや、皿洗いの単純労働で日銭を稼ぎ、生計を立てるようにアドバイスをしましたが、本人は営業ができると思いこんでいるので困りものです。その内、社員に小銭の無心が目立つようになったので、私の方から当座のお金を渡し辞めて頂きました。当社のような小さな会社では、周りの足を引っ張るような社員を給料を支払う余裕はないので、このような社員を切る場合には、心を鬼にせざるを得ません。

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