「マーキュリー通信」no.164 【ちょっぴり洗脳されていた自分を反省】
昨日の日経に「内閣支持49%上昇続く」との見出しがトップ記事として取り上げられていました。そして、民営化支持44%。公社で縮小、即ち民主党案は22%と少数派なるタイトルで大きく取り上げられていました。日経を読む限り、選挙の風は小泉首相にどんどん吹いているようです。又、私が購読している日経ビジネスでも小泉首相支持が明確です。従って、日経購読の読者は、どうしても小泉首相支持に傾きがちです。
しかし、日経のスタンスを見ていると、衆議院解散以来小泉首相支持一辺倒の記事が目立ち、少し気になり出しました。小泉内閣の過去4年間の実績を見ると、「聖域なき構造改革」始めキャッチフレーズとしては明確だが、実際にはこれぞ改革したと胸を張っていえる諸施策の方が少ない。
過去4年間の小泉首相のやってきたことを私自身それほど評価はしていないけれど、何故か小泉首相を憎めない。小泉首相の明確な言動とパフォーマンスに引きずられ、何か洗脳されてきたような感じがします。多数の国民も私と同様の感想を持っているかもしれません。 寧ろ、無能無策の森前首相が続投していた方が、日本の没落スピードが早まり、逆の意味で改革が早く進んだのではないか。つまり太平洋戦争末期症状がより早く現れ、その危機感から逆に改革が却って早く進んだのではないかと私は思っていたくらいです。
今回の郵政民営化選挙も小泉首相のパフォーマンスに国民が引きずられている感じがします。 「郵政民営化に賛成なのか、反対なのか」、実に論理は明快です。しかし、論理明快の裏に、議論すべき重要な視点が欠落しています。
それは、郵政民営化後の郵貯マネー340兆円の行き先です。小泉首相は、金の流れを、「官から民へ」を盛んに強調しています。しかし、現在の金余り状況下では、この巨額資金の行く先はなかなか民には流れていきません。
結論から先に言えば、このお金の大半は米国に流れていってしまいます。庶民から集めたお金が米国に吸い取られてしまうわけです。
日経ビジネス(8月22日号)では、それを後押しするように「Finacial Times」の社説を掲載し、小泉首相を支持し、米国に巨額マネーをお出でするような論調です。更には、同号で加藤寛千葉大学長の小泉政治を絶賛する記事が掲載されると、良識あるマスコミとしての日経の品格を疑わざるを得なくなってきます。何か政治的意図が臭ってきてしまうのは私だけでしょうか?
衆議院解散以来、私も郵政民営化法案の中味をチェックしました。多くの識者の意見にも耳を傾けてきました。その結果が、上記のような巨額の郵政マネーの行き場所となりました。識者の意見に関しては、増田俊男氏の「時事直言:郵政民営化は国民と日本経済に危機をもたらす」が郵政民営化の本質をついていてが面白いです。痛快丸かじりで、実に論理明快で分かりやすいです。詳しくは、同氏のホームページをご覧になってください。http://www.chokugen.com/index.htm その他識者の意見に耳を傾けると、マスコミ、特に日経の論調とは全く異なる世界が展開します。大前研一氏:http://nikkeibp.jp/wcs/leaf/CID/onair/jp/biz/391506政治評論家「森田実」:http://www.pluto.dti.ne.jp/~mor97512/その他識者の氏名+郵政民営化で検索すると、各氏の意見が聞けます。
更には、小泉内閣のやってきたことは、歴代内閣の対米追随外交から隷属外交、更には傀儡政権化しつつあることも判ってきました。イラク戦争に対する態度などまさにその典型です。
一方、小泉首相をファッショ政治と批判されていますが、これは一部抵抗勢力の枕詞程度と理解していました。 しかし、実際にはそうでもなさそうです。
先日、エコノミスト植草一秀氏の「内外政治経済状況の展望」という講演を聞きました。資料を基に、実に理論整然としており、私自身も合点がいきました。植草氏も、明快な郵政民営化法案反対論者です。反対理由も、上記と同様です。 しかし、同氏の最大の強調点は、衆議院選挙以降小泉政権誕生で、2007年消費税の大幅アップ実施、日本が再び不況に突入との懸念を強く抱いていました。http://uekusa-tri.co.jp さて、植草氏は、昨年セクハラ容疑で訴えられました。しかし、これは重大な濡れ衣で、冤罪に当たります。植草氏は法廷闘争の内容を近々出版するそうです。
某弁護士の話では、日本の裁判は自白尊重主義で、警察は自白を引き出すために、「ここで自白をしておけば、微罪で済み、後はよしなに計らう」との甘言で迫るそうです。その甘言に乗り、一旦自白してしまえば、後でその自白を取り消そうとしても、覆すことは極めて困難だそうです。こういう恐ろしい実態もあるそうです。道理で自白を基にした冤罪がなくならない訳です。
植草氏の住まいは神奈川県。植草氏は、郵政民営化法案反対論者のエコノミスト。神奈川県警がこの方面では暗躍しているそうだ。これはこの種のことに詳しい元政治家の話。 ここからは、推測の域を出ないけれど、神奈川県は小泉首相のお膝元。郵政民営化法案反対論者の植草氏をおとしめるには、セクハラ容疑などが一番やりやすい手口。
一般庶民が植草氏のことを知っているとしたら精々「セクハラで逮捕された有名人」程度しか知らない。マスコミが、警察からの情報を鵜呑みにした結果、「セクハラの植草」に祭り上げられてしまいました。官からの情報だけを鵜呑みにするマスコミの軽薄さも非難されるべきですが、日本の恐ろしい一面を知る思いです。
男性諸君は気を付けてくださいね。最近、私も電車に乗る際、金髪茶髪の類の女性が集団でいる場合にはちょっと距離を置きます。ちょっとしたことで、セクハラ容疑をかけられ、警察に突き出されたら怖いですから(×_×;)
さて、話がそれましたが、衆議院解散の時点では、私自身どの政党に投票するか迷っていました。 しかし、小泉政治にちょっぴり洗脳されていた自分、小泉首相のパフォーマンスに引きずられていた自分を恥じ、今回は郵政民営化法案賛成論者には票を投じないことにしました。
多数の人は、郵政民営化には賛成している。だから、中味を吟味しなければ、うっかり今回の郵政民営化法案に賛成しまいそうです。しかし、その内容を少しでも理解すれば反対に回らざるを得ないのが、正しい判断といえます。
「マーキュリー通信」の読者には、今回の総選挙で、誰に投票するかの判断材料になれば幸いと思っています。 もちろん、私同様、マスコミに踊らされずに、インターネット時代ですから、きちんと識者の意見をチェックした上で、清き一票を投じてください。間違っても棄権だけはしないでください。「棄権」は組織票の少数勢力を勢いづかせる極めて「危険」な行為と理解してくださいね。
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