「マーキュリー通信」no.193 世界最小の総合商社的経営論9【さんづけで呼ぶ】
国会の首班指名で、小泉首相のことを「小泉純一郎君」と「君づけ」で呼んでいました。昔は、「君」=「君(きみ)」は、君主からとったもので、相手を呼ぶ際の敬語として使われ、その名残がまだ国会でも使われています。
しかし、その後「君」の地位は落ち、今では男性が年下の男性に対し主に使われ、時々年下の女性に「君付け」で呼ぶ人もいます。関口宏などはその典型です。
最近では、特に若い女性が年下の男性を「君付け」で呼ぶケースをよく耳にします。大学生までは、同級生、又は下級生の男子生徒に女生徒が「君付け」で呼ぶことはよくありました。しかし、男女同権が普及したせいなのかこれも時代の流れなのでしょうか。
相手を呼ぶ際に、「君付け」「さんづけ」「呼び捨て」「ニックネーム」「肩書き」で呼ぶ等状況に応じいろいろとあります。呼び方は、相手との人間関係によって当然違ってきます。
日本人は、えてして自分との年齢において年功の差をつけたがる人が結構います。自分より年下と分かると、すぐに「君付け」に切り替える人も多々います。
しかし、これはビジネスの世界では気をつけた方がよいと思います。ホリエモンことライブドア堀江社長が、楽天三木谷社長から「君付け」されたと憤慨していました。両社長の仲は余りよいとは聞いていませんが、こういう相手の呼び方の基本的なところで人間関係がぎくしゃくすることもよくあります。
脳力開発で有名なO氏と時々異業種交流会で出会いますが、その時「よおー、菅谷君、元気かい!」などと尊大ぶった態度で接してきます。私は、「はい」と一言言って、O氏を避け、他の人との会話に移ります。
O氏のことを知る人は、O氏の尊大な態度を敬遠し、「O先生」とは呼ばず、皆「さんづけ」で呼びます。O氏の場合、講義で話す内容はすばらしいのですが、O氏の現実の言動とは殆ど一致しないので、私も含め「O先生」と皆さん呼びたくないようです。
さて、私の場合、いちいちそんなことに気を遣うのは煩わしいので、異業種交流会、ビジネスを問わず基本的には「さんづけ」で相手のことを呼びます。又、「さんづけ」と呼ぶことで、年齢に関係なく相手に対する敬意を持ち続けることにもなります。年下の人を「君付け」で呼ぶとどうしても「自分偉し」とのイメージを相手に与え、「自分中心」の人間関係を相手と作ってしまいます。
そして、マーキュリー物産でも全員を「さんづけ」で呼びます。私と親子関係の年の差のある20代の社員にも「さんづけ」で呼びます。当社の場合、年下の上司の場合などざらにあるので、もし年上の部下が、年下の上司を「君付け」で呼だらおかしいし、指揮命令系統に乱れが生じてきます。「さんづけ」で呼びづらければ、「役職」で呼ぶよう指導しています。
又、私が全員分け隔てなく「さんづけ」で呼ぶことで、社内に「さんづけ」で呼ぶ風潮ができています。
一方、私に対し社員は、「社長」と呼んでいます。これは、仕事をする組織の一員という意識付けを明確にしておくためです。特に若い人で、その辺の理解がしっかりできていない人も多いので、「社長」のことも友達感覚で接する若い人も出てくるので、けじめをつける意味でそうしています。
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