「マーキュリー通信」no.214【経済工学研究所森木亮理事長講演「日本国破産への最終警告ー日本人は小泉首相にだまされてはいけないー」】
森木先生は、最近のご著書2008年IMF占領(光文社刊1000円)で、日本国破産への警告をし、「その破産処理は2008年頃IMFの手に委ねられるだろう」と具体的提言をされました。
小泉首相始め政財官界と深い人脈を森木先生は本日の講演会で、9月11日衆議院選挙後の情勢及び今後の日本に対し、上記のように快刀乱麻を断つが如く、いつもの弁舌爽やかに、ずばっと切って落としました。
まずは、総選挙の結果は「民意ではない!」。与党得票数3350万票に対し、野党得票数3450万票と民意は真っ二つに別れた。選挙結果は小選挙区の特徴が出た結果と認識すべきで、そのことを余り強調しないマスコミにも問題あり。
次に、「郵政民営化は構造改革の本丸」と叫ぶ小泉首相は、もしそれを信じているなら似非改革者であり、単なるパフォーマンスなら大嘘つきといえる。
本丸とは、お城の城郭・天守閣の部分であり、郵政民営化は枝葉の部分、城でたとえるなら精々石垣の部分に過ぎない。それでは、本丸とは何か、まず一の丸は、公務員数の純減。現在公務員数を404万人といっているが、税金に頼らない郵便局員数等は含めるべきでない。それを除外した上で、5年で5%、10年で10%の純減を論じるべきだ。
次に二の丸は、公務員の給与水準の引き下げ。現在、公務員の給与水準は、100人以上の民間企業と比較しているが、全民間企業の給与水準と比較すべきだ。その場合、40歳の公務員で年収630万円、一方民間は444万円。186万円年収が多い。30%の引き下げが妥当水準といえる。
さて、郵政民営化に関しては、郵便事業に関しては、国営化が望ましい。全国に2万局強の郵便局があるが、その内92%が赤字。民営化した場合、財務内容が公開され、2万局の存在意義を問われることになる。 又、郵便事業の債務超過額は5236億円もあり、既に破産状態。民営化した途端に破産宣告する可能性あり。
次に、郵貯事業に関しては、本来は廃止すべきだ。米国は、民業圧迫を恐れ、39年前に郵貯事業から撤退した。国が郵貯に関与すると、国として使うことが認められている「税金」と使ってはいけない「預貯金」いう認識が薄れ、そのけじめがつかなくなることが恐ろしい。一例を挙げるなら、法務省職員の給与8千億円は、税金からでなく、歳入不足を補うため、郵貯事業から流れている。これは国民を欺く行為であり、どんぶり勘定もいいところ。この種のやりとりが日常茶飯事的に行われており、それを本来チェックすべき会計検査院(企業で言うなら監査役)が殆ど機能していない。
しかし、郵貯銀行の廃止が現状なかなか難しいところなので、ナロウ・バンク化を目指すべきだ。バブル時代に、郵貯預け入れ限度額を300万円から段階的に1千万円に引き上げた。今度はその逆をやり、どんどん小さくしていき、35兆円程度に縮小すべきだ。
郵貯銀行民営化後は、コストに加え利便性も考慮すべきだ。しかし、利便性を考えた場合、郵貯銀行の利便性は最低のCランク。 Aランクはインターネットバンク。24時間オープンでパソコンから振込が可能。振り込み手数料0の銀行もある。 現在の都市銀行は、利便性の面では、Bランク。メガバンクが出現しても、ただ大きいだけで顧客へのサービス面では見劣りする。
郵貯銀行は1.2兆円の利益を出していると喧伝されているが、実際には政府の様々な優遇策があり、民間と同じ競争条件にしたら、利益は4千億円に激減する。 又、郵貯銀行の自己資本比率は僅か1.57%。これはBIS(国際決済銀行)の基準である8%を大幅に下回る。国内銀行に鞍替えしても、4%基準をクリアするのは至難の技。 一方、簡保の純資産はほぼゼロの状態。
更に、郵政民営化の時限爆弾として、不良債権が、郵貯・簡保合計60兆円もある。更に、国債保有高が160兆円もあり、国債暴落のリスクを抱えている。郵政を株式公開した際には、国民がもし株式購入したら、ババをつかまされ大損することは見え見え。 又、BISが、大量国債を保有した超メガバンクの存在は、国際市場に大きな影響を及ぼすリスクが高いので、再国営化を提言してくる可能性もある。
パフォーマンス主体で、郵政民営化の中味を余り理解していない小泉首相が、2007年の郵政民営化後に、上記のような衝撃の事実を知ったら、物凄い後悔に襲われることは間違いない。但し、その時小泉首相は総理の座を降りているだろうから、ババをつかませられるのは、後任総理ということになる。
昭和41年、時の大蔵相福田赳夫氏が禁止されていた国債発行に踏み切った。1972億円の国債発行残高が、現在では682兆円と天文学的な数字となっている。しかも、60年の赤字国債発行の愚を繰り返している。赤字国債の発行とは、返す当てもないのに借金を続けていることであり、そのツケを後生に先送りしているだけ。 しかし、そのツケも最早先送りしている余裕がない状態。
現在、景気は回復し、株式は活況を呈し、ミニバブル状態となり、日本国が破産するようなムードにない。しかし、それは財務省、日銀が資金繰りで破綻を来さないよう自転車操業をしているだけの話。
財政のプロ、森木亮先生の講演だけに、実際の数字を交え、正確に理論展開をしていく森木先生の熱弁、森木節を今回は充分味わうことができました。 尚、森木先生の小泉首相在任時の採点は、100点満点で20点以下の赤点だそうです。小泉首相就任後、国債残高は260兆円も膨張した。国が破産した際、これだけでも戦犯の資格大。 小泉首相は大蔵族であり、大蔵への甘さが、国債残高膨張にも如実に現れている。
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