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2006年4月23日 (日)

「マーキュリー通信」no.363【日本人の精神的荒廃を考える-4 「愛国心」】

 教育基本法が昭和22年に制定されて以来、あれから60年経って初めて改正されることになりました。 その中で、与党の妥協の産物として、「愛国心」の部分が、公明党より、「愛国心」を教育基本法に謳うと、戦前の忌まわしき国家主義を連想させるからとちゃちがはいり、結局与党案として「伝統と文化を尊重し、それらを育んできた我が国と郷土を愛すると共に、他国を尊重し、国際社会の平和と発展に寄与する態度を養う」といういかにも官僚臭い意味不鮮明なお茶を濁したような長ったらしい文章になってしまった。

 評論家の竹村健一氏が「世界の常識は日本の非常識」という名言を吐いたが、これなどもその典型といえそうだ。「愛国心」という言葉は、我々の親の代には、第2次世界大戦の忌まわしき国家主義をイメージする人も多いと思います。
 私が中学3年の時に、担任の先生がよく「日の丸と君が代の下で多くの友人が尊い命を失った。だから許せん!」と涙ながらに訴えていました。 当時の私には、担任の先生のその姿が今でも焼き付いていますが、子供ながらに何かおかしいと感じました。 私自身は、人の話は素直に聞き入れる性格ですが、この担任の先生の熱弁は、当時も今でも奇異に映っています。先生の同胞に対する純粋な気持ちは理解できるけれど、余りにも物事を一面的にしか捉えておらず、視野狭小に映ります。

 現在、大半の日本人は戦後生まれで、戦争の残忍さは直接体験していません。従って、「愛国心」という言葉の受け止め方も世代によって様々です。 従って、戦争世代のトラウマ的感覚で「愛国心」という言葉を国家主義と決めつけて排除するのでなく、それこそ「愛国心」という言葉を国民的に議論すべきと考えます。トラウマに固執するのではなく、反省すべきところは徹底的に反省し、「愛国心」を2度と国家主義に利用しないと固く誓い、再出発すればよいのです。

 現在、竹島領有を巡り韓国ときな臭い状況にあり、東シナ海でも中国と領海問題が起こり、いつ戦争が起きてもおかしくない状況です。 北朝鮮とも、拉致問題を巡り一触即発の状態です。国旗掲揚はオリンピックの時に上げ、一時的に日本国民のアイデンティティを確認し合うのではなく、今こそ「愛国心」とは何かを国民的議論をする時期です。

 海外で生活をするとこの「愛国心」をよく理解できます。自然と「愛国心」が芽生えてきます。日本の良さも悪いところも見えてきます。
 私の場合、カナダに駐在していた時に「愛国心」を感じました。 カナダの場合、州が集まった国なので、カナダ人という感覚は普段持っていません。xx州出身の感覚です。私が住んでいたカルガリーはアルバータ州なので皆アルバータンという意識を持ち、州の旗にプライドを持ちます。 だから、カナダ国政府は祝日に国旗を掲揚し、カナダ人としての一体感を持つように努力しています。

 日本も、江戸時代までは、日本人という意識はありませんでした。xx藩出身という意識でした。明治政府になり、中央集権国家になってから、日本人という意識をもたせようと努力してきて、それが国家主義という行きすぎになったわけです。
 「ローマが繁栄したのは、ローマをローマ人が愛したから」といった言い伝えがあることを聞きました。凡そ、集団の最小単位は家族です。家族を愛するから家族は幸福になります。自分が住む郷土を愛するから郷土が栄えるわけです。 そして、日本を愛するから日本が栄えていくわけです。大海の水も一滴からのたとえの如く、この単純な真理の集合体が国家になるわけです。
 教育基本法の60年ぶりの改正をトラウマに固執する戦前世代に任せず、戦後世代も含め、広く議論し、正しい教育基本法を作っていくべきと考えます。このような教育基本法では、これからの世代に申し訳ないです。

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