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2006年5月20日 (土)

「マーキュリー通信」no.383【日本人の精神的荒廃を考える-7 稲盛和夫氏の「敬天愛人」に学ぶ】

 日経ビジネスに『稲盛和夫氏の「敬天愛人」に学ぶ』という記事が昨年10月3日号~12月26日号に亘り連載で掲載されました。
 稲盛和夫氏は、現代のリーダー達が、欲望の大半を金銭欲、出世欲、名誉欲、保身欲に支配されてしまったのではないかと憂えています。 本当の幸福とは何か、生きる目的とは何かという哲学と向かい合うことが忘れられてしまったのではないか。リーダーが踏むべき正しい道、「正道」を見失ったために、組織が腐敗し、崩壊していく様を頻繁に見せつけられている。 現代は、混迷の時代であり、激動の時代であり、苦難の時代です。だからこそ人の上に立つリーダーたる者は、極めて高い見識と倫理観、道徳観が求められると稲盛和夫氏は主張する。

 本連載は、ホリエモン逮捕事件の直前に出版されました。 実は、「日本人の精神的荒廃を考える」という本シリーズは、『稲盛和夫氏の「敬天愛人」に学ぶ』が第1回の予定で昨年末に発信する予定でした。しかし、その後もホリエモン事件を始め、余りにも多くの事件、出来事が起こり、今日まで延期となっていました。 さて、「敬天愛人」という4文字熟語は、西郷南洲翁(西郷隆盛)がこよなく愛した言葉で、ご存知の方も多いことと思います。「敬天愛人」とは、「天を敬い、人を愛す」という意味ですが、天を敬うとは自然の道理、人間としての正しい道、即ち天道をもって善しとせよ。人を愛するとは、己の欲や私心を無くし、「利他」の心をもって生きるべしという教えです。 稲盛和夫氏は、故郷の偉人西郷南洲翁の「敬天愛人」を京セラの社是として、経営に当たってきたそうです。

 又、稲盛和夫氏は、ホリエモン逮捕事件の後、日経ビジネス4月3日号のインタビュー記事に、「貪欲社会から解脱せよ」と訴えています。「金が全て」というホリエモンの経営哲学に釘を刺しています。
 初期の資本主義は、キリスト教(プロテスタント)の倫理観に基づき生活を質素にし、労働を尊び、得られた利益は社会の発展の為に還元する。自由な経済活動が許される為には、厳格なほどの精神的、倫理的規範が前提となっていた。

 しかし、現代の資本主義は様変わりした。際限ない欲望、貪欲は、必ず破綻への道を辿る。成功を収めると自信を持つ。そして、自信を深め、更に貪欲さを増して突き進む。次第に自信は慢心に変わり、有頂天になっていく。膨張する自己顕示欲に歯止めが利かなくなる。やっていいことと悪いことの見境もつかなくなり、ついには不正に手を染めて、自滅していく。稲盛和夫氏の主張はホリエモン逮捕事件を見れば自明の理といえる。

 自分一人で生きることはできない。周りの人との調和で成り立っている。成功したら周りの人に心から感謝する。稲盛氏は、ホリエモンは戦後教育の産物と言う。戦後教育では、心の教育を置き忘れてしまった。ホリエモン事件は、ホリエモンという1人の優秀な若者の成功と挫折ストーリーと捉えるのではなく、ホリエモンを産み出した日本社会という土壌を見つめ直す丁度よい時期といえる。 土壌がおかしければ、又、同様の事件は頻繁に起こる。 その為に、稲盛氏のメッセージに素直に耳を傾け、「敬天愛人」だけでも実践していったら、日本は良い世の中になっていくことは間違いないことでしょう。

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