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2006年6月16日 (金)

「マーキュリー通信」no.402【第48回新しい時代を創る経営者の会「少子化社会を考える」】

 今回の「新しい時代を創る経営者の会」は、「少子化社会を考える」というテーマを基に、参加した経営者が、各自自社の経営にも照らし合わせながら、ディスカッションを進めていくという初めてのやり方でした。

 ディスカッションの内容は、テレビ等の討論会のような建前ベースの話ではなく、各経営者が自分の経験を基に、オフレコも含め本音ベースで語って頂きました。 甲論乙駁、各種意見が出ましたが、何か結論を出すのが目的ではなかったので、各経営者はそれなりにいろいろな意見を咀嚼して頂いて、各自の経営に役立てていただいたことと思います。 その中で、私なりに感じたことを下記致します。

 当社のような社員10名程度のような小さな会社でも、少子化社会が影響しています。 自治体や大企業の出産対策、育児制度は大分改善されてきたようです。又、大企業では産前産後の休暇、育児休暇等制度面では大分進んでたようです。しかし、制度面がいくら進んでも、それを運用するのは人間です。職場の雰囲気、職場の管理職の理解がないと、折角の制度もなかなか活かされません。

 一方、当社のような中小企業の場合、制度として確立したモノはありませんが、運用面ではかなり柔軟に対応しています。
 当社では30代の女性が2人の子育て中です。自宅は当社の近くにあります。子供が病気で休んだり、父母参観、学校の行事等状況に応じて、時間単位で休みを取ることを認めています。彼女が子育てに心おきなく、上司に気を遣わないように配慮をしています。このような気遣いがあるか無いかで、女性の職場での働きやすさが、かなり変わってくると思います。

 一方、当社には30歳前後の男性が3名働いていますが、3名とも結婚をする気などさらさらありません。全員フリーター感覚です。この辺も当世若者気質を反映しています。  だから国が出生率を上げるための諸施策をいくら講じても余り効き目はないようです。東京の出生率は既に1.0を切り、今後も出生率は低下の一途を辿っていきます。政府がいくら詭弁を弄しても、現代の社会的風潮を変えることは非常に困難です。 よって、出生率を上げるためには、若者の意識変革を迫るような社会的風潮が必要です。あるいは独身で一生涯通すことのデメリットを、年をとってから身をもって体験してもらうしかありません。現代の若者がフリーター感覚のまま年をとった時のしっぺ返し、精神的な寂しさ、年をとってから経済的にも貧乏であることの惨めさを、身をもって体験してもらうしかないと考えます。20~30年後にフリーター感覚の中高年が多数出て、大きな社会問題となることが予測されます。

 時代が変わるのは、その時ではないかと思います。その時に、あんな惨めな中高年、年寄りになりたくない、子供と一緒にいることの幸せを感じる時代になると思います。その時に少子化社会のターニングポイントとなるのではないでしょうか。
 現在の少子化対策は、このままでは年金の財源が危ぶまれるというそのような視点が中心に語られており、何か本質からずれているような気がします。 本来の少子化対策は、日本の国益、日本人の幸福にとってどの程度の人口が適性なのかを基に議論すべきです。 年金財政はとっくに破綻しているので、年金は通常の税体系に移行すべきというのが識者の一致した意見です。 従って、年金のくびきから解放されれば、少子化対策ではなく、どの程度の人口にすべきか、その為には、どの程度の出生率が適正なのかを議論すべきです。そして、現代の社会的問題点を是正し、あるべき日本の姿を論じ、その為の人口政策をとるべきです。
 団塊の世代の大量定年後の労働力確保は、外国人労働者の確保でも事足ります。IT時代が高度に発達した現代において、インターネットで打合せをすればよいわけで、そのような動きは企業では既に現実化しています。

 また、高齢者に関しては、日本の中に住まなくても、現在の年金水準で遙かに良い生活を過ごせる海外の国は多数存在します。 これだけ国際化とIT化が進んだ現在においては、視点、視野をもっと海外にまで拡げて政府も政治家も考えるべきです。その意味で、現代は明治維新以来の第2の開国といえるかもしれません。

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