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2006年10月27日 (金)

「マーキュリー通信」no.508【祝 日本ハム日本シリーズ優勝! そして経営面でも大いなる学びを得ました】

 昨夜日本ハムの日本シリーズ優勝は感動的でした。新庄の最終打席では思わずもらい涙しました。新庄の、プロ野球では常識破りの土派手なパフォーマンスは、ファンに受けているだけかと思っていたのですが、日ハムナインからも慕われていたようです。その証拠に、優勝の瞬間の胴上げシーンで最初に胴上げされたのがヒルマン監督でなく、何と新庄でした。このことからも新庄とナインとの信頼関係、人間関係ができていたものと思われます。

 私自身日ハムのファンではないのですが、今回の日本シリーズ優勝は実に感動的で多くの学びを得ました。

 経営面から見ると、まさに経営戦略の成功につきます。日ハムは、資金力のない弱小球団なので、とるべき経営戦略はランチェスター戦略に例えるなら弱者の戦略です。即ち、地域密着型経営です。

 そして乏しい資金を商品=選手の分析に投入しました。選手個人の能力と性格をコンピュータ分析して、適材適所の配置をしました。
 その中で最大のヒットは、抑えのマイケル中村です。マイケル中村は、昨年まではパットしませんでした。しかし、1イニングならカーブの威力は強打者でも打ち崩せないことが判りました。又、性格も抑えに向いていました。
 マイケル中村の抑え起用は大成功し、今年はストッパーとしてリーグ最高の39セーブを挙げ、日ハムのリーグ優勝、日本シリーズ優勝に貢献しました。

 一方、マーケティング面では、プロ野球界で一番人気の新庄の採用です。新庄は、札幌ドームをファンで満員にすることと優勝することを3年前、日ハム入りの時に宣言しました。日ハムは新庄の加入で、興行面で観客動員に大きなプラスとなりました。新庄の加入により、チームが明るくなり、チームに一体感が出てきました。
 そして、人気だけなく、戦略に基づいた着実なチーム作りで戦力アップし、僅か3年間で、新庄が公約した2つが実現しました。つまり経営戦略に基づいたマーケティングの勝利です。

 一方、私が長年ファンである巨人は今年も4位と不本意な成績に終わりました。一番の原因は、戦略がないことです。
 長嶋監督の時に「スピード&チャージ」という標語を掲げました。しかし、優勝を義務づけられている巨人軍は、実際の戦力補強は、資金力に任せ毎年4番打者をとり、若手選手の育成を怠り、折角とった有望な若手選手の成長の芽を摘んできました。「スピード&チャージ」とは全く逆のことをやってきました。
 
 今年は開幕当初は、イースンヨプ、小坂に若手の亀井、矢野が加わり、魅力ある布陣でした。しかし、その後、他球団の一流半の選手を大量にシーズン途中で採用しました。これでは4番打者ばかりのチーム編成より、更に悪いです。又、毎年外人選手をとり続けていますが、印象に残っている外人はクロマティくらいです。これはスカウトの怠慢に尽きます。

 日ハムの優勝を見ていると、ベンチャー企業に勇気を与えてくれます。資金力に乏しく、良い人材を確保できなくても、経営者が確かな経営戦略に基づいたマーケティング戦略&戦術の遂行により、成長できるのだという好例を日ハムは示してくれました。

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