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2006年11月 6日 (月)

「マーキュリー通信」no.513【耐震診断日誌「家を建てることと耐震診断は別問題」】

「耐震診断」を勧めると、よく「我が家は出入りの工務店に頼んでいるので大丈夫」という答えを頂きます。しかし、工務店、町の大工さんもまちまちです。
 
 先日、豊島区のS邸の耐震診断をしました。S邸は、出入りの大工さんに最近リフォームを頼み、耐震補強の要といえる筋交いも入れて、耐震性は大丈夫と思われていましたが、Sさんから念のため耐震診断をやって欲しい旨依頼されました。
 
 しかし、耐震診断をしてびっくりしました。ダイニングとリビングの行き来をスムーズにする為に、ダイニングとリビングの間の壁を取り払ってしまいました。
 又、筋交いは両サイドに入れたのですが、リビングと玄関の2方向の筋交いは1箇所のみで入れていませんでした。要は、マッチ箱の中箱をとった状態の建物で、耐震性能は最悪でした。つまり、中箱をとったマッチ箱は、縦方向に揺すれば簡単に崩れます。同様にS邸も、国交省が定める合格基準1.0を大幅に下回る0.11と、過去3年以上に亘り私が診断した家の中では最悪の結果が出ました。因みに、評価ポイント0.7を下回ると、大地震の際に大倒壊の恐れ有りと診断されます。

 一方、S邸では、奥様が洗濯物を干す場所を確保する為に、屋根の上にモノ乾し場をつくりました。しかし、モノ乾し場に行く階段は狭く急勾配です。私が上っても、危険と感じました。因みにS夫人は70代です。階段を踏み外し、事故に繋がる危険性は大きいです。

 S氏に、聞いたところ、S邸の出入りの大工は、「お客様のいうことはごもっとも、全てお客様の言うとおりにする」そうです。

 S邸の場合は極端かもしれませんが、耐震診断をすると耐震性能に劣る家はいくらでもあります。全国に推定1000万戸の木造家屋が耐震上問題有りと国交省が発表しました。又、集合住宅の場合は、150万棟だそうです。

 日本の家屋は、経済力のアップに合わせ、大地震等で問題が発生すると、それに合わせ、耐震基準をアップさせてきたのが行政の実情です。
 昭和56年6月に建築基準法が改正されましたが、新潟地震で多数の死者と家屋倒壊が契機となっています。
 
 商品、サービス、建物等全てにおいて第3者による評価が求められることは、ビジネスをやっている人なら直ぐに理解できることです。しかし、優秀なビジネスマンでも、プライベートのことになると事情が変わり、想定されるリスクを回避しようとするチェック機能が働かない人が多いことに驚かされます。自分と家族の命、そして財産に直接関わることなのに、「自分の所は大丈夫だろう」という非論理的なことでたかをくくってしまう人が非常に多いのにびっくりさせられます。そして、大地震が来た際に、テレビで悲惨な被災現場を映しだす。これが過去繰り返し繰り返し行われてきたことです。

 最近になって、耐震補強に関し、行政もポーズから少しずつ重い腰を上げ始めました。しかし、基本的には自助、自己責任というの行政のスタンスです。この行政のスタンスに早く気付かないと、悲劇は何度でも繰り返されるだけです。

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