「マーキュリー通信」no.531【私の異見・ひと言申す-20「健康保険料の値上げ:制度自体に疑問」】
厚生労働省が、来年4月から現在の国民健康保険料の上限を年間3万円上げることを発表しました。現在の53万円が56万円に引き上げられるそうです。この値上げは高所得者層を狙い撃ちした値上げです。
保険とは、そもそもリスクに対しかけるモノで、健康保険の場合、加齢と共に本来保険料が上がるはずです。しかし、政府の考え方は、所得の増加に伴い保険料が増額となります。この考え方は、保険ではなく税金です。因みに年間56万円の保険料を支払う人は、事業所得者で、660万円以上の所得者だそうです。
年間56万円の保険料を支払う人の場合、3割の患者負担として、年間187万円の医療費を支払わないと元が取れません。これでは現在働いている人で、元を取れる人は殆どいません。つまり、高齢者となり、長期入院等の高額医療にかからない限り元を取ることはできません。ここに医療費の無駄遣いがいかに多いかが判ります。元が取れる人が殆どいない保険制度自体おかしいと思うべきです。
健康保険制度自体はとうの昔に成り立たなくなっています。よって、健康保険制度は、保険料で徴収するのではなく、保険税という目的税として徴収すべきです。それなら徴収する役所は税務署です。これにより徴税コストが省けます。この場合、400~500万人ともいわれている多数の保険料不払い者は脱税者となるわけで、徴収が促進されます。
但し、利権と汚職の巣窟となっている現在の健康保険制度に改革のメスを奮う英断を政府が下さなければ、余り意味がありません。
保険制度改革の骨子は、必要最低限の医療は国が健康保険税の予算内で補償し、それ以上の高額医療は、民間医療に任せる。そして、それを受けたい人は補完的に民間保険に加入し、選択の自由の度合いをもっともっと増やすべきです。
一方、健康保険料と一緒に徴収している年金も同様に年金目的税にして、税務署が徴収すれば社会保険庁は不要となり、税金の無駄遣いが大幅にカットできます。
12月の井の頭公園
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コメント
税金的なものをあちこちでとるからおかしくなる。
労働保険もひどい制度だと思います。
就業時間中と通勤時間の怪我しか保障されないのにあの金額、ありか?
年間10万近く一人当たりからとるなんて…。
投稿: kubokawa | 2006年12月18日 (月) 23時20分