« 「マーキュリー通信」no.531【私の異見・ひと言申す-20「健康保険料の値上げ:制度自体に疑問」】 | トップページ | 「マーキュリー通信」no.533【丸の内起業塾実戦マーケティング講座終了】 »

2006年12月19日 (火)

「マーキュリー通信」no.532【私の異見・ひと言申す-21「日本企業で過去最大の買収、JTの経営戦略に大いなる疑義・義憤」】

JT(日本たばこ産業)が英国たばこ大手ガラハートを買収することで基本合意に達した。買収総額は約2兆2千億円で日本企業では過去最大の投資額だそうです。喫煙率の減少傾向が続き日本市場がじり貧になる中、JTは日本市場以外の開拓に意欲を見せ、今回の買収劇になったと報じています。

 しかし、この買収劇は企業倫理の面から見ると大いなる疑問です。
 たばこ産業は、合法的に認められた世界最大の麻薬産業です。たばこの主要成分ニコチンは、習慣性があり、喫煙歴が長ければ長いほど止めることが難しくなり、準麻薬麻薬です。喫煙の弊害は、直接間接喫煙で日本でも毎年約10万人の人が死亡していると見られています。又、喫煙による健康への被害は多くの人によって証明されています。

 法的に認められているから企業買収は果たして良いのか?
 その前に企業の倫理観が強く求められます。公取もそのような観点で企業買収を捉える時代になったのではないでしょうか。又、銀行もこのような巨大悪産業に対し2兆2千億円もの巨大融資は控えるべきです。

 私がもしJTの社長なら、たばこ事業は縮小を徐々にかけ、最終的にゼロに持って行きます。その為、たばこ事業に関する広告宣伝費、プロモーション費用を一切投資しません。その代わり、現在の販売ルートを通じ、健康食品、飲料関連事業に積極的に注力していきます。
 自販機も、たばこの代わりに健康スナックや飲料に変えていきます。
 
 コカコーラも健康に良くないことが消費者に浸透し、売れ行きが落ちていきました。現在では、コーラの自販機の9割はコーラ以外の飲料が占めています。

 JTも同様の戦略をとり、自販機始め多様な販売チャネルを活用して、健康スナック、飲料に時間をかけて全面シフトしていくべきです。それが企業倫理です。

 企業の巨大さばかり追いかける時代はとうに終わりました。今後は、いかに社会に受け入れられる健全な産業として生き残っていくべきかを経営陣はもっともっと真摯に考えるべきです。
 「日本市場がだめなら海外市場を狙う」、これでは外国の人に失礼です。海外からみたら公害の垂れ流しを輸出するようなモノです。21世紀は、企業の倫理観も大きく問われる時代となっていることに大企業も問題が大きくなる前に気がつくべきと考えます。061219_1839

丸の内のイルミネーション

| |

« 「マーキュリー通信」no.531【私の異見・ひと言申す-20「健康保険料の値上げ:制度自体に疑問」】 | トップページ | 「マーキュリー通信」no.533【丸の内起業塾実戦マーケティング講座終了】 »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 「マーキュリー通信」no.532【私の異見・ひと言申す-21「日本企業で過去最大の買収、JTの経営戦略に大いなる疑義・義憤」】:

« 「マーキュリー通信」no.531【私の異見・ひと言申す-20「健康保険料の値上げ:制度自体に疑問」】 | トップページ | 「マーキュリー通信」no.533【丸の内起業塾実戦マーケティング講座終了】 »