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2007年1月17日 (水)

「マーキュリー通信」no.551【阪神大震災12周年の日に思う】

  本日は、阪神大震災が発生してから丁度12年経ちます。
 マスコミでは、この時期になると阪神大震災特集をします。今年の日経には被災者が未だに社会復帰できていない例が紹介されていました。その他、近所の家屋は倒壊していないのに、我が家の建物は倒壊し、倒壊家屋の住宅ローンと、建て替え後の住宅ローンの二重苦に苦しみ、ローンの重圧と、あの時耐震補強をやっておけば良かったと、自己を責め、精神的重圧に耐えきれない人の例を紹介していました。
 尚、本日の民放で耐震診断と耐震補強の重要性を報道しており、この点マスコミも少し進歩した感じがします。

 最近、「凶器になる家、ならない家」(金谷年展著、日経BP刊、1680円)という本を読みました。

 日本は世界一の地震ハイリスク国であり、大都市で比較をすると、東京は世界で断トツの地震リスクが高い都市です。東京の地震リスク指数は710と第2位のサンフランシスコ167の4倍以上です。第6位ニューヨーク42の17倍のリスクです。因みに、大阪、神戸、京都は世界第4位の92となっています。(ドイツの保険会社の調査)
 マグニチュード6以上の大地震は、日本で21%も発生しており、まさに地震ハイリスク国となっています。

 被害総額で見た場合、阪神大震災が断トツの1位で1000億ドル、第2位米国ノースリッジ大地震で440億ドル、第3位が中越地震の280億ドル。もし、首都圏で大地震が発生したら、阪神大震災の10倍の1兆ドル(120兆円)が予測されています。因みに平成18年度の国の歳入は約50兆円です。

 これに対し、日本の家屋の状況は、旧耐震基準の家屋(昭和56年5月以前に建築)が1000万戸、集合住宅が150万棟あり、その大半が耐震基準を満たしていない。
 それ以降の家屋でも、平成12年(2000年)以前に建築された建物は、耐震補強に必須の筋交いのバランスが悪かったり、筋交いを止める金物が充分でなかったりしていて、必ずしも安心できないので耐震診断が必要となっています。

 NHKで13日(土)に耐震診断と耐震補強を放映していました。一般市民の住宅を例にして、耐震診断と耐震補強を実施しました。築35年の旧耐震基準の家屋です。
 ここで、番組に登場した夫婦の認識と実際とにずれがあったことが、現在の日本の耐震診断、耐震補強に関する実態を表しているようです。
 その家屋は、壁が少なく、軟弱地盤が悪く、2階部分の増築箇所を柱で支えている住宅で、阪神大震災では多数の家屋が倒壊した極めて危険な建物です。大地震の際には、マイホームそのものが凶器に変わる代表的事例でした。
 国土交通省の評価ポイントで1.0未満は、倒壊の恐れ有り、0.7未満で大倒壊の恐れ有りですが、私が見た感じでは、そのお宅は精々0.2程度かなと推測しました。
 そのご主人は、司会者からどの程度の評価ポイントと聞かれ、「0.5はあるだろう」と回答していました。
 耐震診断結果は、0.17と極めて恐ろしい結果が出ました。ご主人はあまりのひどさにびっくりしていました。普通の旧耐震基準の家屋でも0.17という数値はなかなか出ませんが、上述のような家屋の状況なので、この数字も致し方方ありません。

 「凶器になる家、ならない家」には、分譲住宅より、注文建築の方が、耐震強度的に劣る家が多いと書いてあります。
 その理由として、日本の大工さんは、施主の要求をできるだけ取り入れようとするので、どうしても窓の多い快適な住宅となります。その反面、耐震強度は落ちるわけです。
 一方、分譲住宅は、買い主と建築会社の接点がない為、どうしても手抜き工事が多くなります。

 次に、耐震補強費用は、290万円と見積もられました。そのご主人は、これだけ耐震強度が劣るので、この費用に関しては前向きに受け止めていました。しかし、奥さんの方は、やはり高い印象を持ったようです。

 0.17という評価ポイントは、大地震が来たら、確実に倒壊する耐震強度なのに、このご夫婦は悠然と構え、これから検討するとのことでした。
 因みに、このようなひどい家屋はマレで、通常の旧耐震基準の老朽家屋の場合、評価ポイントは0.7前後です。その場合、耐震補強費用も概ね100万円程度です。これを10年で割ると、月8千円程度の費用負担となり、毎月8千円の地震保険料を支払ったと思えば安いものです。

 私が耐震防災事業に関わって4年になりますが、これが日本の現状です。時々、人間ドックを受けたら、生活習慣病のオンパレードを宣告されるような人が、怖くて人間ドックを受けたくないという人がいますが、まさに同じ状態です。

 耐震診断を受けたら、耐震強度に問題があることを恐れ、耐震診断を受けようとしない家庭が多いです。又、耐震診断の結果、「倒壊の恐れ有り、大倒壊の恐れ有り」と出ても、「死んだらそれまでよ」という人が未だに圧倒的に多いのです。

 そして、いざ大地震が来た時に、冒頭で述べた「こんな筈じゃなかった」と大後悔する人が非常に多いわけです。死にきれずに、未だに肉体的、精神的にダメージを受けて生きている人が多数いるわけです。

 しかし、極めて重かった役所の腰も自治体によっては前向きに捉える動きが出てきました。横浜市では耐震補強した家屋に対し最大で150万円も補助金が出ます。税金が支払えない低所得者には225万円も出ます。

 一方で、東京都では、固定資産税の減免措置を講じる等徐々に耐震補強に関する助成措置が講じられ始められました。

 又、集合住宅の家主に対しては、賃貸の際に重要事項で耐震診断の有無を説明することが義務づけられました。耐震強度の弱い集合住宅を貸した場合、家主の損害賠償責任も問われる時代となりました。実際に、阪神大震災では、1億2900万円もの損害賠償命令が出された判決も出ました。
 司法、行政の動きも、耐震防災の重要性に気付き、具体的となってきました。

 しかし一番大事なのは、自らの命と家屋は自らが守るという自助の精神、その支えとなるのが補助金でこれを公助といいます。更には、住民同志が助け合うという共助により、地震が来た際に被害を最小限に食い止めることができます。
 自助、公助、共助なにやら日本の政党の名前を冠した語呂ですが、更に我々民間業者が耐震防災事業を促進し、手助けできればと思っています。これが民助です。これで全政党名がそろいましたね。

 尚、耐震診断を当社で5万円で実施していますので、ご希望の方は、その旨ご連絡ください。尚、通常耐震診断は、7~15万円程度かかります。

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コメント

本日はありがとうございました。
今後共宜しくお願いします。

投稿: 武野剛一 | 2007年1月18日 (木) 16時28分

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