「マーキュリー通信」no.561【トイレ掃除の達人イエローハット創業者鍵山秀三郎氏の講演会を拝聴して】
一昨日の夜、近藤昌平会長(愛知県人会会長)が主催するVAVクラブでトイレ掃除の達人イエローハット創業者鍵山秀三郎氏の講演会を拝聴しました。鍵山秀三郎氏は、テレビでもトイレ掃除をご披露され、今やその名は全国的に有名になった方です。
トイレ掃除を徹底させることで、荒んだ心の生徒が更正され、不良校が優秀校に変わった話、企業研修にも取り入れ、社員のやる気が出てきて、企業業績も向上した話など、鍵山秀三郎氏の功績は数限りなくあります。「kagiyama_hidesaburo.bmp」をダウンロード
鍵山秀三郎氏が創業したイエローハットは、カー用品の販売をしていますが、トイレ掃除のお陰で急成長し、業界大手となり、売上高1180億円を誇る東証一部上場企業となりました。
鍵山氏はこのトイレ掃除活動「日本を美しくさせる会」を全国に普及させ、活動拠点が117箇所あるそうです。現在では、海外にも普及し、現在、ブラジル・サンパウロ、ニューヨーク、北京、台湾の4箇所にも活動拠点があるとのことです。
鍵山氏は、現在私が最もお会いしたい著名人の一人でしたので、今回のお話を楽しみにしていました。トイレ学を確立した人だけあり、同氏の講演は極めて蘊蓄(うんちク)のあるお話で、感動を受け、又、明日から実践できるような教訓も多数頂きました。
鍵山氏の掲げる「凡時徹底」は、「言うは易しく、行うは難き」の典型例です。「凡事徹底」を安易に言う人ほど、「万事手抜き」に気付かないことが多い。この言葉も一転語です。自分の周りを見渡しただけでも、いかに当たり前のことができていないことに気付かされました。
鍵山氏は、若い頃勤務していた会社の社長は、公私混同が激しく、この社長にはついてて行けないと思い、結構良い待遇だったが、周りに惜しまれつつ辞めた。
そして、同氏が思い描く理想の会社を創ろうと決意し、昭和36年10月10日にイエローハットを創業した。当時28歳の若さでした。当時は貧乏のどん底でお金の大切さを身をもって知っていた。
当時自転車に荷物を積んで飛び込み営業をしたが、訪問した先々で人間扱いされなかった。鬼はいなかったが、鬼のような人ばかりだった。それが精神的にきつかった。
しかし、中には仏のような優しい人もいた。自分はそのような人間になろうと決意した。
鍵山氏は、心の荒んだ人間ほど始末が悪いことに気付く。そこで、職場を徹底的にきれいにしようと心に誓い、トイレ掃除を始めた。始めは誰も恥ずかしがってやろうとしなかったけれど、そのうち恥ずかしさが消え、無心でトイレ掃除をやるようになった。
当然、苦労に苦労を重ねた。絶えず困難に直面した。その時、「今は困難な時だけど、失敗とは違う」と肝に銘じ、目標に向かっていった。目標に近づけば近づくほど、困難の度合いも高まっていった。
このように努力を重ね、「今日までの努力を捨てるのは惜しい」と思いつつ、10年間続けると大きな力となった。
そして、更に心を込めて10年間続けると、更に大きな力となった。更に10年間続けると、物凄い力となった。たるんでいた社員の気持ちもいつの間にか引き締まり、企業発展の力となった。
今回の講演で更に多くのことを学びました。
※「経験の多い人ほど余裕がある」。その為に、苦労、忍耐を厭わない。良い種まきをたくさんする。すると良いことがたくさん起きる。
※もし、ほめるところがない社員、子どもがいたら、ほめることのできる種まきをしてあげること。その社員、子どもにできそうなことをやらせて、思いっきりほめてあげる。そして自信を持たせるようにする。
※「夢」から逃げていく人が実に多い。しかし、「夢」自身が逃げていくことはない。もし、自分の掲げた夢に壁が立ちはだかった場合、壁に穴を開ける。つまり、小さな目標を立て、その小さな目標をクリアし、少しずつ夢に向かっていけばよい。
※お金のあることは「武器」である。しかし、欠点もある。お金の大切さ、ありがたみが薄れ、浪費してしまいがちになる。時間があることは「武器」である。しかし、欠点もある。時間の大切さ、ありがたみが薄れ、浪費してしまいがちである。
鍵山氏からは、その他たくさんのことを学びましたが、上記のお話だけでも、今後自分自身が経営者として生きていく上で、大きな学びとヒントを得ました。
講演終了後の名刺交換の際に鍵山氏に質問をしてみました。テレビで、鍵山氏が素手でトイレ掃除をしているところを見ました。そこで、「汚れた便器を素手で掃除することに抵抗はありませんですか?」と聞いたところ、「中国の汚いトイレを掃除する時は、一瞬躊躇することもある。しかし、次の瞬間、思い切って便器に手を突っ込むと、その瞬間、汚いという思いが吹っ切れる。その瞬間無心になれる。」とのお答えでした。
当社の事務所など「万事手抜かり」でお恥ずかしい限りです。自分自身トイレを始め、事務所内を整理整頓し、きれいにする余裕を持ちたいと常々思っていますが、凡人の私にはまだまだできません。しかし、今年は鍵山氏のレベルまで一気に目指すのではなく、一歩一歩着実に事務所内を整理整頓し、きれいにしようと思っています。そして、それに伴い当社の業績も向上していることを期待しています。
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