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2007年2月21日 (水)

「マーキュリー通信」no.579【団塊の世代「黄金の10年が始まる」】

 堺屋太一氏の力作「団塊の世代黄金の10年が始まる」(文藝春秋刊、1680円)を読みました。
 今年はいわゆる2007年問題で、マスコミが団塊の世代が大量に定年退職し、政治経済社会的に大きな影響を与えると喧伝しています。

 しかし、これはいつもながらマスコミの不見識さを露呈しており、実際には今後は団塊の世代にとって黄金の10年になるだろうと堺屋太一氏は力説する。
 2007年問題をうがった見方をするなら、官僚が消費税アップのシナリオの1つと堺屋太一氏は説く。団塊の世代が大量に定年退職することで、年金が大幅に不足する、その財源を確保する為に、消費税の大幅アップは必要不可欠といういわゆる「団塊の世代お荷物論」のシナリオです。

 さて、団塊の世代がそれぞれ勤務していた企業を定年退職するが、それは終身雇用社会からの決別であり、職縁社会からの決別でもある。
 何よりも重要なのは、「60歳からの人生のテーマを持つこと」。自分の人生テーマを持つことで、70歳までの10年間を充実したものとなる。人生を春夏秋冬に例えるなら、60代の10年間は実りの秋である。決して、冬の時代ではない。

 団塊の世代は、会社勤めの中では、いろいろなしがらみがあって、自分の思うような人生を生ききることができなかった。だから定年退職後の人生、いかに自分にあった仕事を見つけることが重要なのです。
 従って、定年退職後の仕事は、生計を立てる為の仕事ではなく、これまでの人生経験を活かした適職を見つけることです。

 堺屋太一氏は、明治以降世代の把握と特徴を本書の中で的確に表現している。団塊の世代は、初めて大きな価値観の変化を体験していない世代と捉える。
 団塊の世代の兄貴分である、戦中派、堺屋太一氏もそうですが、戦前と戦後で価値観が180度変わった。団塊の世代の両親の世代である大正世代も当然戦争体験者であり、大きな価値観の変化に遭遇している。
 明治以来、日清日露戦争、第1次、第2次世界大戦を経験し、その度毎に大きな価値観の変化があった。

 団塊の世代の中には、熾烈な競争社会を生き抜いてきて、心身共に消耗し、「俺の人生は一体何だったんだろう?」と自信を無くしている仲間に大いなる福音の書となります。もちろん団塊の世代より上の年代層、弟分の年代にも勇気を与えてくれる書物です。
<コーヒーブレイク>
 本日学んだことです。粉飾決算そのものは罪にならないそうです。粉飾決算を悪用して、融資を受けたり、上場企業の場合には、その事実が投資家に間違った判断をさせることが罪なのだそうです。
 しかし、実際には、未上場の企業がわざわざ粉飾決算して、税金をたくさん払うことはしないので、何か悪企みがあって初めて粉飾決算という行為があるわけですよね。

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