「マーキュリー通信」no.590【私のコミュニケーション論-26「叱られるのは財産」
日曜日午前9時55分から「波瀾万丈伝」(日本テレビ)を放映していますが、多少オーバーなところはありますが、毎週録画して関心のある登場人物がいたら見ています。
先週の俳優の高橋英樹の「波瀾万丈伝」の中で、高橋英樹が「叱られるのは財産」といった言葉が印象に残っています。彼の父親は非常に厳しく、しょっちゅう叱られていたそうです。
大スターの高橋英樹のことを叱る人は今では殆どいないでしょう。父親から叱られたことが非常に大きな財産になっていると亡き父親に感謝していました。
翻って私の場合も、年齢的なことと社長の立場上、現在私のことを叱ってくれる人は殆どいません。
先日、三井物産元副会長「故堀野和夫氏を偲ぶ会」が大手町のパレスホテルで開かれ、参列しました。そこで昔の上司とも多数会いました。
特にその中で私を一番叱ってくれた梁瀬健二郎氏(当時鉄鋼建材部第一課長)と星崎治男氏(当時㈱もしもしホットライン社長、三井物産㈱取締役情報通信事業部長)のお二人にお会いしました。
梁瀬健二郎氏は私が20代後半の頃に仕えた上司です。毎日のように箸の上げ下ろしまで厳しく注意されました。
又、当時の鉄鋼建材部第一課の業績は毎月黒字と赤字かどうかのぎりぎりで推移していました。その為、梁瀬氏の厳しいチェックが絶えず入っていました。当時は、又レポートを提出させられるのかとうんざりしていましたが、それが今となっては役立っています。私自身現在マーキュリー物産の業績を毎月厳しくチェックする習慣が付いており、短期的な視野と中長期的な視野の両方で見る癖がついており、これは梁瀬氏の厳しい指導の賜と感謝しています。
一方、星崎治男氏の場合は視点が全然違います。仕事の詰め方、手順、進め方等私の甘いところを動物的勘でびしばし指摘され、毎日怒鳴られていました。私の場合、叱りやすいのでしょうか、「カラスの鳴かない日はあっても、菅谷が叱られない日はない」くらい叱られていました。
星崎氏には直属の上司として30代後半から40代前半まで7年間仕え、一番多くのことを学びました。その中でも、「事業、ビジネスの実際の収入の入りと出の部分」の把握の仕方を具体的に学びました。紙に書いてあることは、とかく修飾していることが多く、どうしたら実態を把握するかを星崎氏の下で体得しました。これも今日の私にとり大きな財産です。
高橋英樹の語った「叱られるのは財産」、コミュニケーションの神髄をついた名言として受け止めました。
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