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2007年5月18日 (金)

「マーキュリー通信」no.642【心の格差社会を考える-1「カナダ人夫妻との交際」】

  昨年、シリーズで「日本人の精神的荒廃を考える」を発信しました。その時は「日本人の精神的荒廃」を憂える気持ちで書きました。
 一方、最近では格差社会が広く喧伝されています。
 冷戦構造が消滅し、共産主義国家が雪崩を打って西側陣営に与した。しかし、未だ世界で共産主義国家が3つある。1つが北朝鮮、2つ目がキューバ、そして残りの3つ目が日本であると揶揄されるぐらい日本は所得の再配分が浸透している国家といえます。

 さて、「日本人の精神的荒廃を考える」で私の理想郷としてカナダを挙げました。その具体的モデルの1人に公認会計士夫妻とのお付き合いでした。このご夫妻とは公私ともによくお付き合いし、今でもクリスマスカードを毎年やりとりしています。又、妻同士では誕生日のプレゼント交換もしています。
 
 この公認会計士夫妻を始め当時(25年前)のカナダ人は、現在の日本人と比べ精神的に大人でした。

 まずモノを大事にします。マイホームは必要の都度修理して大事に使い、築50年の家などざらにあります。調度品、家具備品等も大事に使います。従って中古品市場も発達しています。
 
 又、肉体的弱者やお年寄りに対する労りも見習うところがあります。例えば、車いすの人が横断歩道を渡ろうとすると、一時停止して車いすが通り過ぎるのを待ちます。

 そして、家族を大事にします。カナダのビジネスマンは基本的には残業しません。仕事が溜まると早朝出勤して仕事を片づけます。夜7時以降に帰宅することが頻繁にあると離婚問題にも発展しかねません。もちろん夜のお付き合いもありません。
 仕事は一生懸命やるけれどプライベートも大事にするというのが基本的ライフスタイルです。カナダ人夫妻とはお互いに自宅に招待して親交を深めました。

 仕事と家庭、交際も夫婦単位で行い、非常にバランスが取れていました。カナダ人夫妻と家族ぐるみの交際をしてみて、人間的にも精神的にも大人であることを実感しました。ひと言で言うなら「相手に対する気遣い」だと思います。
 最近日本でも「ワークライフバランス」という言葉がよく聞かれますが、25年前のカナダ人夫妻から学びました。

 あれから日本もかなり国際化しましたが、国際人として重要なことは、何よりも「相手に対する気遣い」だと思います。そして、お互いに自国の文化と歴史に誇りを持ち、相手の文化と歴史は尊重することが国際人としての資質ではないかと思います。こういうベースがあって、英語力が求められます。こういう資質、能力を磨かなくて、英語だけ勉強しても、砂上の楼閣に過ぎません。

 日本は、一人当たりGDPではカナダより上ですが、心のGDPではかなり下回るのではないでしょうか。もっとクローズアップされるべきは、経済的格差より、「心の格差」問題です。カナダ人のライフスタイルから「心の格差」の解消こそが重要であることを学びました。

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コメント

早朝出勤で仕事を片付ける、いい方法ですね。
家族との時間、非常に大事だと思います。
特に子供はそのときそのときで付き合っていかないと取り返しがつきません。

投稿: kubokawa | 2007年5月19日 (土) 14時18分

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