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2007年7月16日 (月)

「マーキュリー通信」no.680【目から鱗の経済セミナー】

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本日、聖学院大学準教授鈴木真実哉先生の講演を受講しました。タイトルの通り、まさに目から鱗の経済セミナーでした。本セミナーは、現代日本の問題点の核心を分かりやすく解説していました。

 鈴木先生は、「格差社会で日本は勝つ「社会主義の呪縛」を解く」という単行本を最近出版し、ベストセラーの著者としても人気の経済学者です。

1.           鱗とは何か?

(1)   先入観

    もともと根拠のない先入観

社会主義思想家にありがちな先入観:貧しき者=弱者=善人=保護されるべき者

金持ち=悪人=搾取=貧しき者に分け与える存在

経済的弱者でも悪人は存在し、怠け者で貧しい者もいる。従って、貧しき者は必ずしも保護されるべき対象とは言えない。一方、金持ちでも善人は多数おり、世の為人の為の善行を積んでいる人も多数存在する。

    時代や環境の変化によって現代では通用しないもの

例えば嫁と姑の関係。平均寿命が短い時代には、嫁と姑の関係が存在する期間は短かった。しかし、超高齢社会になるとこの関係が数十年も続く。価値観の違う嫁と姑が一緒に長期間いること自体奇跡に近い。もし、嫁と姑が一緒に暮らしている場合、姑は嫁に感謝すべき。又、これだけ時代が大きく変化した現代において、姑の古い価値観は通用しづらい。従って、古い価値観を現代にも通用すると思って嫁に押しつけること自体が間違い。

(2)   空気の支配

 会議等で、多数意見がその場の空気を支配し、少数意見を言えない場合ケースがよくある。日本人の場合、その場の空気を読み反対意見をなかなか言えないケースがよくある。そして後になって陰で反対意見なり愚痴を言ったりすることがある。これは卑怯以外の何者でもない。

「空気の支配」の典型例がドイツ・ナチスであった。ヒットラーは、全て合法的手続きにより独裁政権を樹立した。ドイツ国民のプライドに訴えかけ、実に巧妙に独裁政権を樹立した。ドイツ国民は論理思考より空気で支配された。

何が怖いかと言えば、この「空気の支配」である。「空気の支配」にはチェック機能が働かない。「空気の支配」を断たない限り国は危険な方向に行ってしまう。

例)年金問題:「日本及び日本国民を支配している空気」

 年金は、国民が受け取る権利と錯覚。年金制度は、戦前には存在せず、たかだか戦後の制度。最近の制度である。

 重要なのは、国民が年金に頼らなくても良い社会を創ること。その為に、国民が蓄財をすることである。国民が年金に頼らなくてもよい社会を創ることである。

 国民が他人に影響を受けない独立の精神、良識を育むことである。

2.           教育の重要性

(1)家庭教育:生活から得られる知識、人間としてごく基本的な知識を身につける。経験。年長者、高齢者が教育に当たる。ここにおいて、高齢者の価値が出てくる。

(2)学校教育:読み書きそろばんの徹底。これを子供の頃にしっかりとやるかどうかによって大人になってその影響が現れる。

(3)宗教教育

 上記を補完するものとして、上記の基礎となるものとして宗教教育の重要性を再認識すべき。家庭内においても、学校内においても、宗教教育が重要といえる。

 宗教教育で、良識を持った人材の育成。正しい価値観を植え付ける。独立不羈の精神の涵養。

※正しい価値判断ができない人の集合体→空気に支配される→ヒットラー現象が起きる

※自分の意見を否定されると全人格を否定された気持ちになる→良識がない、責任感がない→この集合体が国家の品格となる

3.           国家の品格

(1)中国はいくら繁栄しても国家の品格がない。それは中国人個人の品格がないから。品格のない集合体としての国家だから品格がない

最近の米国:今ひとつ品格があるとは言えない。世界中から尊敬されているとは言い難い。米国人の鼻持ちならない性格、傲慢な性格が嫌われている。

 世界から尊敬されている国は品格がある。品格のある国には戦争を仕掛けてこない。

 日本は、経済を運営している人々の品格が問われている。その基礎となるものは、家庭教育。

 (2)明治時代:サミュエル・スマイルが「自助論」を説いた。先祖を尊敬しているか?「自助論」でスマイルは英仏をイメージしていた。何故尊敬されるのか?国家の品格があると見られていたのか?

先祖の尊敬:愛国心がベースとなっていた。先祖の業績に誇りを持っていた。先祖に対する誇りを代々受け継いでいった。

(3)戦後日本外交の最大の勝利:安倍内閣麻生外相の北朝鮮拉致問題に対する毅然たる態度が外交の勝利を呼ぶ。日本の要求を呑み、サミットで北朝鮮に対する経済制裁が可決された。この時、日本外交は一流と外国メディアからは賞賛された。しかし、日本のメディアはそれほど大きく取り上げなかった。日本のメディアは「敗戦国日本、二流国」というトラウマに支配されている。

(4)愛国心には2つある

①自分の国を愛し、発展させ、富ませ、その結果世界に貢献していく

②敵国に対し、一枚岩となり戦意を高揚し、戦っていく。

日本は未だ2番目の愛国心の考え方に縛られ、愛国心というと軍国主義の復活、憲法9条改悪反対というトラウマに支配されている。これではチンパンジー並の脳みそとしか言いようがない。

世論は良識を持った大人の意見によってリードされるべき。余裕を持った大人の意見に導かれるべき。日本人は、精神的にも経済的にももっと余裕を持つべきと考える。

4.           社会主義思想の呪縛からの脱却:最大の敵は社会主義的思想、発想

 社会主義は、ソ連が75年に及ぶ実験の結果、「貧しさの共有」であることが立証された。その思想の基本的な考え方とは;

    貧しい者は金持ちから搾取されているという被害妄想

    金持ちに対する嫉妬心

    他人のせいにする:自分たちが貧しいのは資本家、会社、国、時代が悪いと思う

    国は貧しい自分を助ける義務がある。私は助けてもらう権利がある。依存心、たかりの精神。

5.           これからの日本を発展、繁栄させる為には正しい資本主義の精神の復活

(1)正しい資本主義の精神とは

①自助努力

②付加価値創造

③未来志向、現状打破

(2)正しい資本主義の精神を実践した3人の日本人の例

    二宮尊徳

少年時代、極貧の生活を送っていた二宮金次郎少年は学問で身を立てようと決意。夜、仕事が終わってから勉強をしていた。伯父まんべいから「油がもったいないからあんどんを消せ」と叱られる。金次郎少年はここで自分の正当性を主張しない。主張しても伯父まんべいから家を追い出されるだけと判っていたから、アルバイトをして油代を稼ぎ、勉強した。すると伯父から、「そんな時間があるなら俺の仕事を手伝え」と又叱られた。金次郎少年は、ここでも反論せずに、夜伯父が寝てから勉強をした。品格のある人物は、未来志向。自分の目標、目的達成の為には、自助努力の精神を発揮する。決して自分の不遇を嘆かない。自助努力の精神=資本主義の精神である。

    上杉鷹山

上杉鷹山が米沢藩に着任した時には、藩の財政は破産状態。部下の俸給を下げざるを得なかった。しかし、これだけでは士気が低下してしまうので希望を与えた。藩の殖産興業である。米沢藩に新しい産業を興し、見事藩の財政の立て直しを成し遂げる。

    本多静六:明治の東大教授。日比谷公園の設計者として有名

極貧の中から、給料の4分の1を貯金して大富豪となった人。

「貧乏から脱出するのは個人の問題。国に頼るべきでない」

(4)お金持ちを尊敬できる社会に

    日本人の個人金融資産:1500兆円(借金差引後)

    三菱銀行、みずほ銀行の調査で、1億円以上の個人金融資産を持つ家庭は推定で100万人以上いることが判明。しかし、実際には、もっといると推測される。

    日本社会は、お金持ちが肩身の狭い思いで生きている。本当の金持ちは、自分が大金持ちであることを知られたくない。数百万円の高級ブランド品を買う客は現金で買う。クレジットカードで買うと、個人情報が漏れてしまうので、それを嫌う。

(5)もしも200億円の美術館を建てたなら

    ニューヨーク市の場合:個人の寄付で建設

    東京都の場合:税金で建設

米国人の場合、金持ちの「最高の徳」は寄付行為、慈善事業と考えている。美術館が200億円の寄付金で建設された場合、200億円の税金の節約となる。日本では、箱ものに多額の税金が使われ、国、自治体共に巨額の借金となっている。又、利権、汚職、不正の温床ともなっている。

(6)資本主義精神を害しているもの:日本の税制「累進課税」、「相続税」「贈与税」

上記税制の根拠の妥当性を合理的に証明した人はいない。日本では「金持ちは悪である。とりやすい所から税金を取る」という空気に支配されている。

スイスでは、贈与税がない。だからスイス人は先祖から引き継いだ個人財産を大事に管理し、それを子孫に受け継いでいくという考え方が浸透している。

(7)社会主義、共産主義の崩壊

社会主義、共産主義の国で栄えた国はない。

旧ソ連:エリート共産党員は裕福な暮らしをして、エリート共産党員用のデパートで商品を購入できる。それ以外の一般市民は貧しく、質の悪い商品を一般商店で購入。

社会主義、共産主義の国は、個人の努力では覆らない各社社会。

一方、資本主義社会は、個人の努力で覆せる格差社会。個人の自己責任が働く社会。現在の自分が貧乏なのは全て自己責任と受け止めるべき。自己責任とは、国や他人が何とかしてくれると当てにしないこと。

以上

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