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2007年7月30日 (月)

「マーキュリー通信」no.688【私の異見・ひと言申す-37「参院選の結果を見てマスコミの脅威を感じる」

昨日の参議院選の結果を見て、マスコミの予想がほぼ当たったので、マスコミの情報収集及び分析能力に改めに感心しました。

 しかし、一方で、今回の参議院選挙は、マスコミの自作自演と言ったら言いすぎでしょうか。別の言い方をするなら、マスコミが年金問題と閣僚の失言等を頻繁に流した結果、国民の怒りが政府自民党に向けられ、その怒りの発散の場として参議院選挙に向けられたとも解釈できます。

 小泉前内閣を引き継ぎ、安倍内閣が発足してから1年足らずですが、この1年間首相としては冷え切った中国国交の正常化、北朝鮮拉致事件に対する外交政策、年金問題解決に向けての具体的実効策等寧ろ評価されるべきであり、あれほどの支持率の急降下は私には解せません。

 もし、マスコミがジャーナリスティックな過熱報道を避け、普通の報道をしていたら、ここまで自民党は惨敗しなかったことと思います。日本の政治制度は三権分立であり、これに対し、マスコミは第4の権力とよく言われます。今回、その第4の権力であるマスコミの力がいかんなく発揮されたと言えます。

 しかし、ここで恐ろしいのは、このようにマスコミが見識を欠いた報道を連日続けることで、国民の空気を支配し、今回のように国民をマスコミが思った方向へと誘導できることです。
 因みに産経新聞の報道は、トップ記事で自らの自戒の念も込めて、このような過熱報道に対し、警鐘を鳴らしていたのが救いでした。

 昨年秋の衆議院選挙で小泉自民党は圧勝しました。しかし、自民党と民主党の得票差は僅か1割程度です。小選挙区制度の影響で、ドミノ倒しの原理が働いたわけで、実態はマスコミが報道するほど民主党は大敗していません。

 しかし今回の参議院選挙は、大選挙区制度の下であり、民主党は、比例区で自民党の1.5倍の得票でした。これが衆議院の小選挙区で実施したら、自民党の獲得議席数は更に少なかったはずです。
 怖いのは、実際の政治は殆ど変わっていないのに、マスコミが国民世論を支配し、政治の流れを大きく変えてしまったことです。幸い安倍首相が続投発言をしたのでほっとしていますが、現在安倍首相に代わる見識があり、実行力のある政治家はいるのでしょうか。
 もし、小泉前首相がヒットラーのような首相だったらどうでしょう。ヒットラーは正規の法律制度に則り、一党独裁体制を築き、マスコミも利用し、ドイツ国民を煽り、ユダヤ人の大量虐殺を始め、あのような悲惨な戦争を起こしました。
 現在のマスコミの見識のない報道合戦は、このような危険性をはらんでいることをマスコミ自身猛省すべきと考えます。

 さて、大勝利を収めた民主党は今後どうすべきでしょうか?
 かつての社会党的やり方では、ただ参議院で第1党になっただけで、国民の失望を買うだけです。
 民主党代議士の中には労組出身者が多数占めています。従って、この勢力の発言を極力抑え、現実的な政策を提言し、小泉前首相が残した改革路線を自民党と共に追求していくべきです。これなくして、民主党の真の躍進はありません。

 今回の参議院選挙での社民党の獲得議席は僅か2議席です。支持率も2%と国民から殆ど忘れられた存在となりました。私が学生の頃、大半の学生、若者は社会党か共産党に投票したモノです。世の中はどんどん変わっています。実社会に出て、我々の考えていたことは、理想論としては素晴らしいけれど、現実的でないことを身をもって理解するところとなりました。しかし、社会党、そして現在の社民党は頭の中の構造、モノの考え方が数十年前と殆ど変わっていません。だから皆離れていったということをこの党は理解していないようです。
 民主党も社会党の衰退の原因は何であるかをよく理解し、今度こそ国民の為の建設的な政治を実行していって欲しいと思います。
 因みに私自身は無党派層ですが、「もの申す」うるさい無党派層です。マスコミの報道に踊らされないそういううるさ型の無党派層です。
 政治家の本質は、「silent majority」より「noisy mnority」です。つまり、多数のおとなしい選挙民より少数のうるさい利害関係のある業界、団体から票を確実に取り、政治を行っていくのが政治の基本です。
 従って、無党派の我々はもっと市民の為の政治を真に追求する政治家、政党を支援し、投票していくべきと考えます。

 boblog「マーキュリー通信」読者より、市民党党首のマニフェストを掲げたら、民主党と大差ないとのご意見がありました。しかし、現実に私のマニフェストを実践に移すには、官僚、労組、業界団体から猛反対が予想されます。労組が支持母体の1つでもある民主党が本当に実行できるのか、今後の推移を見守っていきたいと思います。

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コメント

うーん、これは珍しく納得できなかったです。
拉致問題なんて安倍政権になってから全然進展していないし、年金問題の対応は非常に不十分、民主党案の方が数倍優れていました。それどころか、安倍政権は民主党に追及されている間、データを隠蔽しようとしていました。怒りが向けられても当然だと思います。

投稿: kubokawa | 2007年7月31日 (火) 15時43分

小泉自民を勝利させてたのも、安部自民を敗北させ
たのも選挙民です。しかし、これだけマスコミが騒い
だ割には投票率が2%しか上昇しなかったのは何故で
しょうか? 6割未満の投票で政治が決まってしまう
・・・、これはなんら変わっていませんね。
 それと「日本の美しさ」を残そうとするのなら「改
革」はやめた方がいいと思います。「古き良さ」は残
して、新しき「良さ」は取り入れる事は矛盾がありま
す。この辺は熟慮を要するのではないでしょうか?

投稿: 西村淳一 | 2007年8月11日 (土) 16時03分

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