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2007年8月18日 (土)

「マーキュリー通信」no.701【心の格差社会を考える-6「足ることを知る」】

「20078210000.jpg」をダウンロード   社会が発展繁栄し、豊かになることは良いことです。しかし、人間は欲望を追い求めると際限が無くなります。自分の実力不相応の生活を追い求めると不幸の始まりとなります。
 私が初めてマンションを購入したのが30歳の時でした。56.7㎡の3DKの町屋のマンションで、大手町の会社まで通勤時間30分弱と交通至便の場所でした。それまで7畳一間の独身寮のに住んでいた自分と比べたら、「これで自分も一国一城の主」になれたと畳の上に大の字になり、その充実感に浸っていました。

 しかし、1年ちょっとでカナダ三井物産に転勤となりました。カナダでは3箇所に住みましたが、最後は145㎡の2LDKSの超高層マンションに住んでいました。リビングが30畳もあり、窓からはカナディアンロッキーが一望でき、マンションには室内温水プール、バーラウンジ、スカッシュコート付き、駐車場も2台OKの超豪華マンションでした。冷暖房も全て完備していました。
 日本に帰国して元の3DKの町屋のマンションに戻りました。しかし、今度はあまりの落差にショックで、町屋のマンションは直ぐに売却し、江東区白河に80㎡弱のマンションを購入しました。
 10年住んだところで、今度は大地震が来ても安全な現在のマンション(豊島区北大塚)に引っ越してきました。江東区白河のマンションよりは10㎡程度狭くなりましたが、夫婦2人なので、スペース的には満足しています。あれから12年経ちましたが、都心のマンションの便利さを十二分に堪能しています。

 最近、住まいのダウンサイジングが静かなブームとなっていると聞きました。つまり、老後夫婦2人の生活では、これまでのような広いスペースは不要となり、マイホームを売却して、小ぶりのマイホームに住み替える人が増えているそうです。
 住居が狭くなれば、維持管理も楽だし、モノを購入することから、コトの世界へと関心が移ります。つまり、趣味やボランティア等社会的な方面に関心が出てきます。そして、「足ることを知る」世界となってきます。

 10年ほど前に一橋大学の大先輩 土師野良明さんより「知足の経済学」(安原和雄著、ゴマ書房)を頂きました。その本を再び読んでみました。安原和雄氏も一橋大学の大先輩ですが、同氏の経済哲学は、「足るを知る者は富めり」であり、「知足の経済学」は決して世の中の発展繁栄を否定するものではありません。
 本の内容は、まさに我々日本人がこれから目指していくべきライフスタイルです。

 「知足の経済学」の特色は、以下の3つの特色に絞られます。
◆人生をいきいきと面白く全うしていく為の経済学
◆経済社会の構造改革、企業改革、分散型国土つくりの指針となりうる経済学
◆地球環境時代の経済学
 
 同氏は、明治維新の志士に倣い、「知足の経済学」に生きる者を「文化志士」と命名し、その為の8箇条を掲げています。
第1条 車より歩くのが好きな人である。
第2条 自然を愛し、四季の変化に深い関心を抱く人である。
第3条 川をきれいにしたいと思う人である。
第4条 土地よりも土を強に愛着を感じる人である。
第5条 環境保全に心を寄せる人である。
第6条 金よりも大切なものがあるという人生観の持ち主である。
第7条 頭の柔らかい人である。
第8条 世の為、人の為、自分の為になりたいと念願する人である。

 私自身上記8箇条は全て当てはまるので、私も「文化志士」の仲間入りができそうです。さて、あなたはいかがですか? 

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