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2007年10月 9日 (火)

「マーキュリー通信」no.736【人生に勝利する方程式-10「人生の王道を歩む」】

京セラ創業者稲盛和夫氏の最新刊「人生の王道-西郷南洲の教えに学ぶ」(日経BP社刊、1785円)は、さすが超一流経営者の書いた力作だけあり学ぶところ大の作品です。
 稲盛和夫氏は、西郷隆盛の有名な標語「敬天愛人」を京セラの社是社訓として掲げ、西郷隆盛の遺訓を基に京セラを経営してきました。
 「敬天愛人」の中の、「天を敬う」とは、「自然の道理、人間としての正しい道、すなわち天道をもって善しとせよ」ということであり、「人を愛する」とは、「己の欲や私心を無くし、人を思いやる利他の心をもって生きるべし」という教えです。
 西郷隆盛の遺訓は、仏教の教えをベースとしていますが、稲盛和夫氏自身も1997年に京都の臨済宗禅寺円福寺の仏門をくぐり、自らも修行僧として民家へ托鉢に回られました。 
 さて、本書には「人生の王道」の歩み方が全編に亘り記載されています。稲盛和夫氏が歩んでこられた人生訓、生き様、経営哲学、経験を基に随所に記載されています。
 人生の王道を歩むために、リーダーと呼ばれる人が第一に身につけるべきは、「純粋な心」であると稲盛和夫氏は確信しており、この点が他の経営者と異なるところではないでしょうか。金や地位、権力、策略は、一点の曇りもない心、誠心誠意の志の前に歯が立たないことは歴史が証明しています。真の偉業は、高潔で清らかな思いがあってこそ、多くの人の協力を得て成し遂げられると稲盛和夫氏は力説しています。

 稲盛和夫氏は、それを第二電電DDIの事業化で証明して見せました。稲盛和夫氏は、第二電電創業の際に、「動機善なりや」と何度も何度も自分に問い続け、「世界的に高い通信料金を、競争の原理を導入し国民にあまねく安く提供する」という信念に一点の曇りもないことに確信を抱き、創業する決意をしました。事実、稲盛和夫氏はDDIに個人的には1円たりとも出資せず、上場の際の創業者利益を得ていません。
 当時、ライバルの国鉄中心の日本テレコムや道路公団、トヨタが中心の日本高速通信と比べ光ファイバー網のインフラを持たないDDIは負け組と目されていました。
 しかし、現在は前2社は消えており、DDI(現在のKDDI)が勝ち組として残っています。
 稲盛和夫氏は、人生に勝利する方程式として、考え方x熱意x能力を掛け合わせたものとしています。いくら一流大学を優秀な成績で卒業しても、本人に熱意がなければ、一般の大学を出て、一生懸命頑張った人に負けてしまう。
 しかし、稲盛和夫氏は、この方程式の中でも考え方が一番重要であると力説する。考え方にはプラス100からマイナス100まであり、熱意x能力がいくら高くても、考え方の部分がマイナスであるなら、その結果は最後は転落の人生となる。現在マスコミを賑わしている事件等はまさにその典型例です。

 良い考え方とは、前向き、建設的、協調性がある、明るい、肯定的、善意に満ちている、思いやりがある、優しい、真面目、正直、努力家、利己的でなく強欲でない、足ることを知り、感謝の心を持っている。
 悪い考え方は上記の逆です。後ろ向き、否定的、協調性がない、暗い、悪意に満ちている。意地が悪い、他人を陥れようとしする、不真面目、嘘つき、傲慢、怠け者、利己的、強欲、不平不満ばかりを言い、人を妬み、恨む。

 私の歩んできた人生で、かつて「xx天皇」とか、「カリスマ」とか呼ばれた人に出会ってきましたが、その人の最後は哀れなものでした。

 現在の自分を見て必ずしも人生の勝利者といえない人には勇気を与える力強いメッセージです。人生の王道を歩んできて人生に大勝利した稲盛和夫氏が力強く言っているのですから落ち込まず、どうか胸を張って今後も生きていってください。さすれば、必ずや人生の勝利者となることでしょう。

 最後に、稲盛和夫氏は、人生の目的とは、「魂を磨くことだ」と述べています。そして人生をよりよく生きるために、「6つの精進」をご自身心がけているそうです。
1.誰にも負けない努力を日々続ける
2.謙虚にして奢らず
3.反省のある毎日を送る
4.生きていることに感謝する
5.善行、利他行を積む
6.感覚、感性を伴うような悩み、心配事をしない
 最後に関しては、人生や仕事で起きる障害や問題に、感情や感性のレベルでとらわれても何も解決しない。苦しければ苦しいほど理性を使う。理性を持って、合理的かつ徹底的に解決策を考えつくし、その解決にひたむきな努力を注いでいくことが大切です。
 そして、そこまで合理的に考えつくし、一生懸命に努力をし、まさに「人事を尽くし」たなら、後はうまくいくのだろうかとなどと余計な心配はせず、ただ成功を信じて、「天命を待つ」のです。
 これがまさに「人生の王道を歩む」神髄といえます。

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