「マーキュリー通信」no.748【人生に勝利する方程式-13「自然の法則に耳従う」】
中村天風という明治、大正、昭和を駆け抜けた偉大なる哲人がいます。政財界、スポーツ、芸能界等多数の業界のトップリーダーに多大なる影響を与えた方です。
松下幸之助翁、東郷平八郎、原敬首相、京セラ創業者稲盛和夫、大横綱双葉山等々数え上げたらきりがないです。
その大哲人中村天風師が、人世に勝利する方程式の1つに「自然の法則に耳従うこと」と言っていました。
社会を良くしよう、より充実し発展した美しい地球を創ろう、そんな高度のことを考えられるの人間以外あり得ません。確かに我が家のわんちゃんがそんなことを考えられるはずはないですよね。
これほど貴重な人間であれば、その精神も高度で美しくなければならない。その一員である自分にもこの尊い精神が備えられているはずである。
自分に与えられたこの崇高な価値は、人類のために、いや全宇宙のために必ず発揮されねばならない。そのための力が自分には与えられているのだという固い信念を持てば、いつかそれが自分自身の生まれながらの特徴のように確立されていく。ここで積極的な精神の基礎が固められる。
もともと世の中には、人間の知恵では計り知れないような自然界の流れがあり、これに沿っていけば順調に目的地に到着することができる。しかし、それに逆らっていると、全てがぎくしゃくとして前進することができない。
歴史上の英雄と言われた人たちが、悲運の最期を遂げたのはこの自然の法則に逆らったからである。織田信長、豊臣秀吉等はその典型と言える。
天風師は、「人間はもともと正しいものや美しいものが好きだ。時々これに逆らってあくどい稼ぎをするヤツがいるので、そんな歪んだ汚い生き方をすれば儲かるだろうというさもしい誤解をして、そのまねをする情けない人もいる。そんなことが長続きするわけがない」と言う。
もともと素直で心優しい人が、なまじ悪徳人種のまねをして、無理に自分の気持ちをねじ曲げ、腐った肉を口にすると、たちまち悪性の下痢に見舞われる。余計な不安や迷いを捨て、美しい心を大切にして、ひたすらまっすぐにすうっと歩くのが一番歩きやすい。そうすれば心は積極化され、自然法則に沿った生き方ができる。
先週の土曜日に友人から英国の安価なヘアカットサロンチェーン展開と美容師を育成する美容学校事業の話が持ち込まれました。
今週、この事業を仕掛けているY氏から二日間に亘りじっくりと説明を聴きました。Y氏の事業構想のスケールの大きさにはただただ敬服するのみでした。Y氏は、私と同じ年ですが、政治の世界でフィクサー的な仕事をした後、事業家としても大成功してきた人です。Y氏から私に対し月収70万円の業務委託手数料と5%の歩合給のオファーが出されました。私の仕事は、この事業資金を確保することです。
しかし、私には、Y氏の錬金術的な考え方にどうしても腑に落ちない点がありました。そこで、駒澤大学駅付近で1ヶ月前に開業した英国風ヘアカットサロンを訪れました。同店を視察した私は、単に安いヘアカットサロンのシンプルな器を作っただけで、魂が入っていないことを直感しました。又、プロモーションに関しても素人の域を出ておらず、同店には経営が不在で、明らかに赤字の店舗でした。
Y氏は安いヘアカットサロンを来年までに200店舗のFC展開をしていく計画とのことです。しかし、この程度の経営不在の素人による店舗運営では、早晩破綻を来たし、FCオーナーに被害が及ぶことは目に見えていると私は直感し、同事業からの誘いを断ることにしました。
念のため、私がこの種の事業展開に関しては、私が一番信頼しているS氏と本日会った際に、同氏の意見を聞きました。S氏から、「菅谷さん、この事業は詐欺商法で訴えられる可能性が高いから止めた方がよい」とのアドバイスを受け、私の気持ちは吹っ切れました。
尚、先週の土曜日から私は原因不明の下痢をしていますが、天風師曰く「菅谷さん、あんたは既に腐った肉(Y氏の錬金術的な考え方)を食らったから、下痢をしているんだよ」と教えてもらったような気がします。
帰りの電車の中で、中村天風師の本を読んだところ、上記のような一節に出会いました。偶々S氏と会うことや、中村天風師の「人世に勝利する一節」に目に触れたことも何かの縁といえます。目に見えないところで、私が間違った方向に行かないようにブレーキをかけてくれたといえます。その意味では、目に見えない存在、自然の法則に感謝する次第です。
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