「マーキュリー通信」no.750【ワンポイントアップの仕事術-20「与信能力をupする」
与信に関しては、売買両方に関係しますが、販売先の受注活動に営業マンは熱心なのですが、売掛金の回収には以外と関心が低いのです。売掛金の回収(中小企業なら社長)は経理の仕事くらいに思っている営業マンもいるくらいです。経理の仕事は、あくまでも売掛金が期日通り入金しているかどうかのチェックであり、期日通りきちんと入金するかどうかは営業マンの仕事です。
買掛金の支払いに関しては、ルーズな企業も結構あります。支払いを忘れていて、平気な会社もあります。その場合、単にルーズなのか、資金繰りが厳しいせいなのかを見極めるのも営業マンの仕事であり、経営者の仕事であります。
因みに当社の場合、ジャパンネット銀行を利用しており、支払いは全てパソコンから振り込み手続きをしています。そして、月末支払い日に必要な資金はどの程度か日々管理しており、資金ショートが絶対起きないようにしています。月末の支払いは朝一番で口座から引き落とされるので、月末入金は基本的に当てにしないで、当社のもう1つの支払日(11日)用の資金に充当します。但し、大口の入出金の場合には、取引先に連絡をして、入金後直ちに支払う旨了解を取り付けています。
さて、IT時代の今日、取引先を訪ねず、電話やメールで仕事をついついしてしまいがちです。しかし、どんなにITが発達しようが、営業の基本は取引先の経営者も含めた、人間関係をベースとした信頼関係が全てです。取引先を訪問することで、その会社の最新の経営状況を把握することができます。
一方、買いの与信に対しては関心が低いことが多いようです。
以前、大手銀行を脱サラして会社を立ち上げた経営者がいました。そのE社を訪問すると、40坪程の事務所に、豪華応接セットと最先端の什器備品が置かれていました。スタッフは、社長と2名ほどの陣容でした。I社長とビジネスの話をしていて、同社はこれから新規事業を立ち上げるところで、まだまだ殆ど実態が無い状態でした。I社長から代理店を勧められましたが、同社は直に経営破綻するだろうと読んで、同社と取引をしませんでした。なぜなら、同社が破綻していた場合、当社の取引先に迷惑をかけることになるからです。案の定、E社は数ヶ月で資金繰りの目処が立たずに、事務所は閉鎖となりました。
先日、取引先のC社が、見積内容の商品を出せずに、当社の顧客から大顰蹙を食らいました。C社のF社長に問い合わせると、まさか注文をもらえるとは思わなかったとの回答です。もちろん今後は、C社の商品を紹介することは怖くてできません。経営者がこのような態度なら安心して取引ができません。
これが買いの与信です。
企業は生き物です。日々の営業活動を通じ、受注活動だけでなく、取引先の与信情報をしっかりと把握しておくのも優秀な営業マンです。
尚、与信が心配のない大手企業の場合、請求書の発行タイミング等をきちんとチェックしておくことです。これを怠ると、締め日に間に合わずに、支払いが翌月回しにされることもあるので、金額が大きい場合、初回取引の場合には細心の注意が必要です。
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