「マーキュリー通信」no.795【私の異見・ひと言申す-58「行政改革にはリエンジニアリングと意識改革が必要」】
最近リエンジニアリングという言葉を余り聞かなくなりました。しかし、行革にはこのリエンジニアリング的考え方が重要です。
役所と接点を個人的にも仕事的にももった方は、役所の仕事の非効率性を実感したはずです。彼らはいくらお役所仕事と揶揄されても一向にそれを変えようとする気持ちがありません。
私が住む豊島区でも、今年10月から「家庭用生ごみ処理機」に15千円の助成金が出るようになりました。しかし、PR不足で予算100台に対し僅か12台しか区民から応募がありませんでした。この為、昨日から追加88台の募集が始まりました。
豊島区の助成金制度が始まったことを知った私は早速、担当課(エコライフ課)に電話しました。
まず、当社が販売する「ペットのフンも同時に処理できる生ごみ処理機・環境生活館」 は、豊島区の斡旋対象商品ともなり、毎年環境フェアにも豊島区からの要請に応え、出展していました。だから助成金制度情報を事前に当社にも連絡してもらえれば、「家庭用生ごみ処理機」の普及に協力できた旨クレームをつけました。
さて、今回の内容を見ると、12月10日~1月31日まで助成金の希望者を募集し、予算台数を超過した場合には抽選ということになっています。尚、事前購入は不可とのことです。
私の方から、区の助成金交付制度の問題点を下記の通り指摘しました。
1.「家庭用生ごみ処理機」は、年末年始の生ゴミが大量に出る時に需要が出る。この時期はボーナスシーズンなので、購入希望者が増える。
2.役所が助成金を出す2月は1番「家庭用生ごみ処理機」の売れない時期。従って、区民の為に、建前上は抽選方式をとっても、実際には区民の為に、年末に「家庭用生ごみ処理機」を購入できるように便宜を図ったらどうか。10月の募集の時でさえ、僅か12台の応募しかなかったのだから、今回は更に応募台数は少ないことが予想される。
3.助成金希望者を募集するやり方は、横浜市、杉並区等ごく1部の自治体が実施しているが、公報を見ない住民が非常に多いので、「家庭用生ごみ処理機」の購入後、又は購入前の申請方法に切り替えてほしい。又、このやり方は、役所の手間暇がかかり、行政コストアップとなるので、節税の観点からもこの方式は止めて欲しい。
4.助成金募集要件が、区民に分かりづらいので、もっとシンプルにして欲しい
5.助成金の活用は、家庭ゴミ有料化とセットでやらないとあまり効果がない。
以上のようなことを私の「家庭用生ごみ処理機」3年半の販売経験を基に担当者と話しました。しかし、のれんに腕押しの感じで、役人特有の対応で、一度決まったことを変えるのはなかなか難しいようで、担当者と会話をした後、むなしさからどっと疲れが出ました。
昨年は、耐震補強工事費用の助成金の件で担当課に問い合わせたところ、いろいろと厳しい条件がついていて、予算は僅か4件160万円しか組んでいないことが分かりました。耐震防災行政に対する批判が高まる中、豊島区としても一応耐震防災をやっているというポーズを示したかったようです。
リエンジニアリングとは、これまでの業務のやり方をまずご破産にして、これまでのしがらみ、慣習を廃して、新しい業務方法を作ることです。一番重要な視点は、新しい施策が本当に住民の為に役に立っているかどうかです。
その為には、お役所の中だけでは業務改革は絶対にできません。民間業者、有識者等の意見も取り入れながら、行政コストを大幅に削減できれば、国民は消費税の値上げにも理解を示すことでしょう。
| 固定リンク | 0
« 「マーキュリー通信」no.794【私の異見・ひと言申す-57「高速道路料金値下げは道路公団民営化に逆行するモノ」】 | トップページ | 「マーキュリー通信」no.796【ワンポイントアップの仕事術-25「刃を研ぐ」】 »
コメント