「マーキュリー通信」no.814【私の異見・ひと言申す-64「サブプライムローン問題は原理原則を知っていれば予測できたこと」】
今年の経済問題で一番話題となったのはサブプライムローン問題でしょう。大手企業が1兆円を超す損失を出すという信じられない事件となりました。
しかし、サブプライムローン問題は、原理原則に忠実であったならここまで損失がふくらまなかったと思います。
低所得者向け住宅ローンの融資はリスクが大きいです。いくら複雑な商品に仕上げても、リスクは変わりません。サブプライムローンには日本で大問題となったステップローンが組み込まれていたそうです。ステップローンは、日本では93年に住宅金融公庫が「ゆとり返済」という形で融資しました。これはゆとり返済どころか実態は地獄返済であったことが明るみに出ました。
私も最初のマンション購入時の借り入れがステップローンでした。マンションを買い換える時に、融資残高をチェックしたところ、殆ど元本が減っていないことが分かり愕然としました。それ以降ステップローンは絶対やらない事にしました。
今回のサブプライムローン問題のステップローンの話を聞いて、同じ過ちを繰り返しているなと思いました。ステップローンは、所得が右肩上がりの時にだけ作動する仕組みです。それを承知の上で貸してしまったところが失敗の原因でした。
さて、15年程前デリバティブが全盛の頃でした。私も大和銀行(現りそな銀行)の専門家からデリバティブの話を聞きました。私が「結局デリバティブはハイ・リスクハイリターン商品ですね。リスク・マネジメントはどうやっているのですか?」という質問をしたところ、そのデリバティブの専門家は答えられませんでした。
その後、大和銀行はデリバティブで1500億円という巨額の損失を出しました。
更に、その数年後にエンロンがデリバティブの大失敗で倒産しました。
このように複雑な経済問題も素人が岡目八目的に見れば当たることが良くあります。そのような場合、原理原則に則っていないことが多いわけです。
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