boblog「マーキュリー通信」no.890【中小・ベンチャー企業経営者の為の経営のヒント-5「ホワイトカラーの生産性向上のキーワードは『時短』」】
「時短」という言葉を聞いて、経営者と社員では異なった捉え方をします。即ち、経営者の立場に立てば、「総労働時間の短縮による賃金の削減」又は消極的に解釈するなら「時短」により「生産性ダウン」をイメージする経営者もいます。
一方、社員は、「残業代削減による収入減」をイメージします。残業代を生活給の一部に組み入れている社員もいるでしょうから残業時間削減には反対します。
しかし、労使が「時短」にこのようなイメージを持ったら「時短」は成功しません。
総労働時間の中にはサービス残業もあるでしょう。大企業ですらサービス残業が恒常的に行われており、中小・ベンチャー企業なら尚更です。
私はカナダ(アルバータ州カルガリー市)に3年半ほど駐在していました。カナダでは、夫が週2回以上7時以降に帰宅すると離婚問題の原因となります。こんなお国柄ですから、皆残業しないように必死で働きます。どうしても、残業が必要な場合には、早朝出勤となります。早朝の電話のかかってこない静かな時間帯に残務をこなそうとします。カナダ人は、仕事も大事にするけれど、家庭も大事にする国民性なのです。
日本人の場合、残業が当たり前と思っているとどうしてもだらだら残業となり、残業が恒常化してきます。日本のホワイトカラーの生産性は世界の先進国の中でも一番低いレベルだそうです。この辺にホワイトカラーの生産性向上の鍵があるようです。
つまり、労使共に協力しながら「時短」を実施し、まずはサービス残業の解消を目指します。これなら社員の給与は減少せず、社員の協力も得られます。中には残業代稼ぎの残業をしている社員もいるかもしれないので、その場合はもちろん残業代はカットです。
そして、総労働時間が減少し、社員の疲労やストレスが減少してきます。そして、会社に対する不満も減り、離職率の減少となってきます。その結果、新規採用コストが低減し、新規採用した社員の研修費や、既存社員の負担も減ります。当然新規採用した社員の生産性は職場になれるまで一般的には低いと言えます。
これが前向きな「時短」です。これまで中小・ベンチャー企業経営者の為の経営のヒントで「インフルエンザが流行っています」、「社員に苦手なことはやらせない」を取り上げました。これもホワイトカラーの生産性向上の一部です。今後、「中小・ベンチャー企業経営者の為の経営のヒント」として皆様のご参考に取り上げていきたいと思います。
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