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2008年4月11日 (金)

boblog「マーキュリー通信」no.914【第68回「新しい時代を創る経営者の会 東京電波システム(株吉田統一社長による経営イノベーション」】

 第68回「新しい時代を創る経営者の会」は東京電波システム(株)吉田統

社長によるプレゼンテーションでした。

 これまで当会では毎回画期的な商品のプレゼンKif_2155 テーションを各経営者がしてき
ました。
 しかし、今回は当会として初めて吉田社長が父親から譲り受けた赤字会社をい
かに軌道に乗せたか、経営革新、経営イノベーションにスポットライトを当てた
プレゼンテーションをお願いしました。

 吉田社長の父親の会社はピーク時で年商120億円、経常利益も1億円以上出
ていました。しかし、バブルが崩壊し、銀行の貸し渋りや貸しはがしの影響をも
ろに受け、資金面で行き詰まり、倒産を余儀なくされました。

 Kif_2156 倒産した父親の会社の子会社だけは倒産できない事情があり、吉田社長が親か
ら引き継ぐこととなりました。吉田社長は当時トラックドライバーの経験が長く、
経営に関しては素人でした。

 引き継いだ時の社員は仕事をしようとしないないダメ社員ばかり。月間経費が
700万円かかるのに、預金残高は僅か300万円しかなく、経営を引き継いだ
初月から資金ショートが目に見えていた。

 吉田社長は金策に走るが、もちろんこんなひどい会社に融資してくれるところ
はない。
 最後は、縁故で出資企業を見つけ、何とか資金繰りを賄うことができた。

 その後、自転車便の若者と出会い、自転車便の子会社を設立。業界第3位まで
躍進。そこでMBOにより5000万円のキャッシュが入り、同社の借金は返済し、無
借金会社となった。

 さて、本日のプレゼンテーションでは、マネジメント面で参考になるところが
多々あった。

1.1700万円の増資により資金繰りが楽になった。そこで、現在の働かないダメ
社員を首にせず、新たに優秀な社員の確保に努めた。しかし、口で言うのは簡単
だが、「朱に交われば赤くなる」の例え通り、ダメ社員が新しい社員を道連れに
してしまうことの方が多かった。しかし最後は、働かないダメ社員が働きづらい
状況となり、自然減に任せることにし、徐々に辞めていき、最後はダメ社員の追
放に成功できた。

2.吉田社長のプラス思考。もし、父親から黒字の優良企業を引き継いでいたな
ら、苦労しないまま引き継ぎ、優良企業を倒産させていたかもしれない。しかし、
ダメ企業を引き継ぐことで困難を乗り越え、自ら成長できた。そして、そのこと
が将来の成功要因となることに気づく。

3.心の経営を目指し、3つの心を大事にする経営を心がける。
(1)高い向上心
(2)絶対にあきらめない心
(3)感謝の心
 高い向上心が企業の成長要因となるが、感謝の心を持つことで、時間短縮が可
能となる。

4.CS(顧客満足)の前にES(従業員満足)を重要視。
 吉田社長の考えるESとは、従業員に働きがいの場を与え、その上で待遇改善を
図っていく。ESがあって、CSに繋がってくる。従業員にCSを叫んでも、従業員を
大事にしないような会社では、真のCSに繋がらない。

5.吉田社長自身の価値観や性格を見直してみると、人の笑顔を見るのが好きと
言うことに気づいた。社員を幸福にするという価値観を経営に反映していくこと
を考え、実践する。
 そして、考え方を変えたら、協力者が現れるようになり、経営も順調に行き始
めた。
 しかし、親密度が高くなりすぎると、甘えに繋がることに気づいた。社員を頭
に乗らせることに気づいた。社員との間の取り方の重要性に気づいた。

6.そこで会社の経営方針を修正した。心の部分に手を突っ込まないで、行動の
部分を明確にした。この修正により、明確な管理基準ができた。

7.経営に行き詰まると、歴史関連の書物に回答を求めた。自分がシーザーだっ
たらどうするか?自問自答したりした。
 「古代ローマ」の著者塩野七生さんの本を読み、経営にとても参考になった。
 ユダヤ人は宗教を拠り所とした。しかし、宗教を信じない者には通じない。
ギリシャ人は哲学を規範とした。しかし、高邁な哲学思想は民衆にはなかなか伝
わらない。
 ローマ人は法律を基にした。法律なら一般大衆にも分かりやすく教えることが
できる。そこで、上記6のような管理基準を作っていった。

その他、本日のプレゼンテーションで得るものは多数ありましたが、オフレコの
部分も多数あり、残念ながら割愛させていただきます。

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 【 編 集 後 記 】
◆吉田社長のプレゼンテーションを聴いて、会社とはまさに「生き物」であるこ
とを改めて感じました。
 吉田社長は、「自分はトラックドライバー出身で経営は素人だった」と謙遜し
ますが、やはり父親の血を譲り受けた経営者の資質があったのだと思います。

 又、吉田社長の経営理念のベースには社員に対する愛情があります。私は、経
営とはK&A(ケイエイ)、経験と愛情が重要であると思っていますが、まさにそ
れを地で行っている経営者と受け止めました。

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