boblog「マーキュリー通信」no.917【【中小・ベンチャー企業コンサルタントが語るワンポイントアップの経営術-12「資源高騰時代、原料炭価格が前年比3倍に・・・中小・ベンチャー企業経営者としてとるべき対策は」】】
原料炭価格は、日本鉄鋼業の不況の煽りを受けて、20年以上に亘り長期低迷を続けていました。私がカナダ三井物産の石炭部代表として駐在していたのが25年前でしたが、2~3年前までは当時の原料炭価格より安い状況でした。
石炭の埋蔵量は石炭価格に影響されます。つ まり、石炭価格は高い時は、鉱山会社は積極的に新規鉱脈を探す為に採掘をします。しかし、石炭価格が安い時は、その意欲がわきません。
資源価格は、基本的には受給バランスで決められていきます。石炭価格が長期低迷を続ければ、いずれ経済的に採掘できる埋蔵量は減少し、いつかは需給バランスが崩れ、価格が上昇していきます。
しかし、20年以上に亘る価格低迷は異常現象であり、いつかはその反動が来ると私は常々主張していました。
そして、最近はBRICsの経済成長と人口増加により、資源不足が顕著になり、原油100ド ル時代、金貨価格が史上最高値、そして、原料炭価格も昨年が前年比2倍、今年は前年比3倍になりました。これは資源メジャーであるBHP社の寡占化による影響も色濃く出ています。
さて、資源価格高騰時代に突入しました。いずれ鉄鋼製品が大幅に引き上げられ、国内物価に影響を与えていきます。
しかし、一方で少子高齢化と賃上げが困難な状況の中、そのしわ寄せは中小企業に及びます。コストアップ要因を中小企業はなかなか価格転嫁しづらい状況にあります。
今後中小・ベンチャー企業経営者としては、更なる経費削減と不採算部門の切り捨てや付加価値のアップを図っていくことが益々求められます。経営には絶えずイノベーションが求められますが、ピンチをチャンスと受け止め、経営者自身脱皮を図ることが求められます。
この種の話をすると、「当社ではやるべきことは全てやった。もうやることはない!」と言い放つ経営者が必ずいます。しかし、それはその経営者の器の問題です。そして、「それ以上打つべき手はない」とぼやく経営者は市場からの撤退を余儀なくされます。
資源価格高騰の脅威は一方で、代替エネルギーの開発が進み、環境関連の事業、ビジネスチャンスにも繋がります。
今後、企業同士のコラボレーション、アライアンス、合従連衡等様々な経営形態が模索されていきます。資源価格高騰時代には、柔軟な経営姿勢が求められます。この困難な時代を乗り切ることで、経営者としての器が大きくなり、それと共に会社も成長していくと思う経営者のマインドが重要と考えます
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