boblog「マーキュリー通信」no.948【【中小・ベンチャー企業コンサルタントが語るワンポイントアップの経営術-20「自分の強みと弱みは表裏一体であることを知る」】
━━━━━━━━━━━━━━ 2008年7月1日━━━━━━━━━━━
□■□ 中小・ベンチャー企業コンサルタントが語る
■□■ ワンポイントアップの経営術 20号
□■□ 「自分の強みと弱みは表裏一体であることを知る」
■私は多数のベンチャー企業家のコンサルタントをしてきました。その中で実感
したことは、経営者の強みが出過ぎると弱みに変わることが判りました。つまり、
経営者の強みと弱みは諸刃の剣なのです。
■例えば資金調達力に優れている経営者は得てして営業が得意ではありません。
余裕の資金が確保できるとどうしても脇が甘くなります。本人は、資金調達が得
意なことと営業力に優れていることが別問題であることに気付きません。
■一方、チャレンジング精神旺盛な経営者の場合、どうしても戦線を拡大しすぎます。
そして、どれも中途半端に終わってしまいます。要は器用貧乏なところがありま
す。
■又、アイデア、企画力に優れている経営者もいました。その経営者はマスコミ
にも
100回以上登場し、マスコミにもてはやされたことが裏目となりました。つまり、
マスコミで有名になったこと=経営者として優秀者と勘違いしたのです。そして、
増冗漫に陥り、結局その会社は倒産してしまいました。つまり、地に足のついた
経営をしていなかったわけです。
■職人気質の経営者の場合、理想を追求する余りコストを無視してしまいがちです。
その結果、損益分岐点が高くなり、黒字転換できないまま倒産したオルガニック
食品を販売する経営者もいました。
■経営者にはバランス感覚が求められます。自分の強みをよく知りながら、
強みが出過ぎると、却ってそれが足を引っ張ることになるのだということ認識す
ることが重要です。つまり、強みであるアクセルを踏みながら、ブレーキを時折
利かせながら車を運転するが如しです。
■一方、弱みの場合、そこで墓穴を掘ることはありません。但し、弱みの部分には
どうしても関心を持たないので、この部分の情報が入ってこなくなりがちなので、
経営者としては自分の弱みの部分も経営情報として仕入れておく感度が必要とな
ります。
■私自身コンサルタントとして経営者には問題点を指摘し、改善を求めてきました。
しかし、そこはコンサルタントとして悲しいかな、なかなか聞き入れてもらえま
せん。しかし、私がアドバイスしたことの殆どが当たっています。
■今後、私が新しく経営コンサルタントをお引き受けする場合には、
「多少はコンサルタントの意見に耳を傾けていただく。もし、それができない場
合にはコンサルタントを辞退することもありうべし」という一項をコンサルタン
ト契約の中に盛り込もうと思っています。
────── ∞ ────── ∞ ────── ∞ ───────∞ ───
【 編 集 後 記 】
オーストラリアに棲むミーアキャットは、子供に教育することで有名な動物で
す。赤ちゃんのミーアキャットにサソリの取り方を教えます。
最初は死んだサソリを与え、味を覚えさせます。次に、生きたサソリを与えま
す。但し、最初はサソリのしっぽにある毒の部分を取り除いてから与えます。赤
ちゃんサソリは、サソリを倒してからエサにありつけます。
そして、最後は毒を持ったサソリと戦い、獲物にすることができるようになり
ます。その教育方法が赤ちゃんの習熟度に応じて、対応していきます。
教育がしっかりしているミーアキャットの群れは繁栄していきます。逆に、教
育に熱心でないミーアキャットの群れは衰え、ついには滅びるそうです。
ミーアキャットの話を聴くと、何やら最近の日本の教育制度に思いが行きます。
こんな教育制度で果たして大丈夫なのだろうかという疑問が湧いてくるからです。
中小・ベンチャー企業コンサルタント
独立開業支援コンサルタント
菅谷信雄
| 固定リンク | 0
« boblog「マーキュリー通信」no.947【ワンポイントアップの仕事術-42「問題意識を引き出す」】 | トップページ | boblog「マーキュリー通信」no.949 【「創レポート」6月号☆ 成功者の意外に地道な“自己コントロール”法 ☆】 »
コメント