「マーキュリー通信」no.985【人生に勝利する方程式-39「豊かな社会を肯定する」】
最近小林多喜二の「蟹工船」が40万部も売れ、ベストセラー中だそうです。
「蟹工船」は昭和4年(1929年)に発売されたベストセラー書です。
当時は、資本家が労働者を搾取し、貧富の差が激しく、「女工哀史」なる言葉も
生まれ、共産主義革命がいつ起きてもおかしくない時代背景でした。
「蟹工船」は、最近マスコミで話題にしている言葉、主に「ワーキングプア」
から支持されているとのことです。彼等が「蟹工船」を支持するのは心情的に理
解できます。
しかし、現代の日本は世界第2位の経済大国となり、豊かな社会となりました。
昭和初期と比べ、自由な社会となりました。
一方、共産主義国旧ソ連も75年の壮大な実験の結果、見事失敗に終わりました。
北朝鮮は独裁者金正日の下、世界最貧国の国民として生活苦に喘いでいます。
共産主義は、金持ちに対する嫉妬を持っており、金持ちからお金を取り上げて
当然という発想を持っています。日本の官僚やマスコミ、有識者の中には、政策
の変更をしようとすると「金持ち優遇に繋がる」という金持ち嫉妬論が頭をもた
げてきます。
豊かな社会は、豊かな社会を為政者も国民も肯定するところから生まれてきます。
そこから富が還流してきます。為政者のなすべき事は、その還流しているお金を、
様々な事情から自立が困難な人に対し、自立を促す為の各種施策の実行に振り向
けることです。
個人レベルで見ると、この豊かな社会に暮らす中で、自分はどのような形で社会に
役に立ち、その見返りとして報酬を受けることができるかと考えることが肝要で
す。この原則を理解し、努力精進しながら自分を磨いていけば、多少時間のギャッ
プはあっても自ずと道は開けてきます。「小欲知足」、即ち自分の身の丈にあっ
た生活をしていけば、心が落ち着き、豊かな社会の恩恵を受けるようになります。
現代の日本はいろいろな問題はあるにせよそのような制度仕組みになっています。
私の友人新田義治氏が最近「成功本はムチャを言う?!」(青春新書735円)を
出版してアマゾンで第1位となりました。新田義治氏も自分の性格にあった身の
丈にあった成功を主張しています。
http://www.amazon.co.jp/gp/browse.html?node=489986
そして、私が標榜する「人生に勝利する方程式」も、決してお金の多寡だけを
言っていません。自分が得た富をいかに世のため人の為に還元できたかが人生に
勝利する前提と思っています。
日払い派遣労働の最大手グッドウィルが日払い派遣労働者で違法派遣をしたために
同社は廃業となりました。そして、この影響を受けて日払い労働者の派遣も原則
禁止になるそうです。
しかし、これなども企業=悪、労働者=ワーキングプア層=可哀想という発想に
基づいています。これなども共産主義の変形版であり、豊かな社会を否定する考
え方です。
様々な価値観が飛び交う現代社会、日払い労働を希望する労働者もいるのですから、
官が禁止することは憲法で保証されている労働権の侵害に当たります。ポイント
は、日払い派遣の問題点、例えば失業保険をつけないとかを是正すれば良いわけ
です。
最近景気が悪化しているので、この種の悲観論がまたぞろ台頭しているようです。
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【 編 集 後 記 】
福田首相が突然の辞任しました。もともと国民から期待されず、自民党の派閥
の論理で首相になった人だから、自分の能力の限界を知り、これ以上国民に迷惑
をかけてはいけないと思っての辞任でしょうから、福田首相の勇気に拍手したい
と思います。
但し、現在の1000兆円近い赤字国債の元凶の仕掛け人は父福田赳夫氏でした。
私としては、父が蒔いた悪しき芽を息子が刈り取ってくれることを1万分の1%
ほど期待していたのですが、やはり駄目でした。
一方、次期首相候補の一人小池百合子氏は国民の人気が高いですが、1つだけ
気になる点があります。それは炭素税の導入です。新しい税を導入すると、そこ
には必ず利権構造が発生し、税金の浪費と汚職の温床になります。
もし炭素税が実現したら、環境、エコの大義の錦の御旗、様々な利権構造が形
成されることは容易に想像できます。
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コメント
麻生氏は大幅な財政出動を主張しているし、論外ですね。
他の点は別として経済論で言えば、法人税減税と規制緩和を主張している中川氏か小沢一郎しかないような気がします。
小沢さんは、民主党が選挙で勝たねばないでしょうけどね。
投稿: tora | 2008年9月 7日 (日) 06時26分