マーキュリー通信」no.997【私の異見・ひと言申す-82「規制緩和と規制強化
「マーキュリー通信」no.997【私の異見・ひと言申す-82「規制緩和と規制強化
の功罪はお役所体質を考慮しないから問題を起こす」】
事故米が大きな社会問題を引き起こしています。
事故米の最大の責任はもちろん農水省です。ひと 言で言えば役所の甘い検査体制です。
問題を起こしたコメ卸加工会社「三笠フーズ」は事前に農水省の検査日を察知
し、その日だけ検査が通るようにしたことが分かりました。
しかし、これは古くて新しい問題です。役所の立ち入り検査日を事前に察知するのが
どの業界でも共通の常識です。銀行のMOF担が大蔵相の役人の検査日を事前に
察知するために、ノーパンしゃぶしゃぶまでやって顰蹙を買ったこともありまし
た。
さて、小泉改革の規制緩和で各種問題が吹き出してきたことが問題にされています。
しかし、問題が出て当然です。
規制緩和されれば、法の網をくぐって悪いことをする輩が必ず出ます。
それは形式だけ整えばよいというお役人体質をよく知っているからです。従って、
規制緩和をすれば悪いことをする輩が出ることを想定したチェック体制を、民間
の知恵も借りながら実施すべきです。そして違反者に対する罰則規定を予め強化
しておくのです。そうすれば、事件や事故は最小限に抑えられます。
一方、規制強化の場合には、お役所は民間の迷惑など顧みず、
ルールに徹底的に従います。最近よく言われる官製不況はまさにその通りです。
昨日、豊島区役所に、元従業員の住民票を取りに行ったところ、
今年から個人情報保護法が更に強化され、原則ノーとなりました。私の場合は、
従業員にお金を貸したので、その場合には融資契約書をもってこいと言われ、翌
日再び行きました。今度は、その従業員がその住所に住んでいなかったので、親
元の住所を確認しようとしたところ、再度書き直して来いと言います。社判がな
ければだめだと受け付けません。「住民票をとるだけなのに、何でこんな大げさ
な事をやるのだ」と聞くと、「個人情報保護の為です」と答える。私は怒り、
「私は区長をよく知っている。窓口の担当者は区民の為の仕事をしていないと訴
える」と息巻いたら、「ちょっと待ってください。上司と相談します」と言って、
結局三文判の訂正印でOKとなりました。
規制強化をやると住民のための行政サービスから離れていってしまう
お役所体質を為政者はよく理解すべきです。
規制緩和も規制強化も、単に法の改正をするだけでなく、
お役所の体質を熟知した上で、その対策をとり、違反者に対するペナルティを強
化してからやらないと各種事件や問題が必ず起こります。
一方、小池百合子自民党総裁候補が環境税の導入を訴えています。
私は目的税は反対です。環境税を一旦導入したら、環境という大義の下に、利権
構造ができあがり、税金の無駄と不正が必ず行われます。
そんなこと介護保険の時に経験済みの筈です。逆の言い方をすれば、
新しい税金を導入することで、政治家と企業の新たな利権構造の模索を考えてい
るものと思っても良いかも知れません。
世の識者は、財政再建のために、早く消費税アップを訴えていますが、
このような役所の規制緩和や強化に伴う無駄、浪費、詐欺等こういうものからな
くしていかないと、最近の物価高に苦しむ庶民を到底納得させられませんよ。そ
の部分では、5人の中では小池百合子さんの意見に同調しますが。
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