boblog「マーキュリー通信」no.1075【人生に勝利する方程式-43「三方得徳のシナリオを描く」】
私が親しくさせていただいている経営コンサルタントの皆木和義先生は、「三方得徳のシナリオを描く」を提唱しています。「得徳」とは、物的金銭的な得と、心的、人格的、倫理的徳の双方を兼ね備えた皆木先生の造語です。皆木先生は、「三方得徳」のシナリオが、究極の目指すべき目標であり、勝利のシナリオであり、長期的成功の秘訣であると説いています。
これは私が人生哲学、行動哲学である「活私豊幸」=「自分を活かしながら人生の途上で出会った人々をいかに豊かに幸福にできる人間でありたい」 に相通ずるモノがあるのでご紹介させていただきました。
サブプライムローン、リーマンショック等は似非「三方得徳」でした。つまり、低所得者層にもマイホームを持たせようという考え方は一見良さそうに見えます。
しかし、ローンの返済能力のない人に、クレジットカードの5000万円の信用枠を与え、その中からローン返済をすればよいという仕組みでした。
そして、住宅価格が値上がりし、転売すれば、転売益でローンの返済もできるという発想でしたが、こんな馬鹿げた仕組みに国も米国の大手企業も加担したわけですから、その罪は大きいです。
一方、日本では不況による従業員の解雇、派遣切りが政治問題にまで発展し、規制をかけようとしています。
これも間違った「三方得徳のシナリオ」です。不況になれば、企業は生き残りをかける為に、非正規社員から解雇していきます。
一旦雇用したら正規社員の解雇は厳しく、法定福利費も異常に高い日本では、非正規社員の雇用が企業の発展には欠かせません。この仕組みに規制をかけたら、日本企業の長期的発展にブレーキをかけることになります。
政府や自治体のやるべきことは、解雇された非正規社員の再就職の為の仕組み、仕掛けを作ることです。
更には、内需拡大の景気刺激策です。これに尽きます。1500兆円の個人金融資産をいかに内需に転換させるか、ここに知恵を絞るのが最善といえます。
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編集後記
世の中には、一見正しそうに見えて、実はそうでないことが多いことに気付かされます。特にマスコミや、政府の言っていることにその種の事が多いです。
ソマリア沖で日本船が海賊の被害を受けている。
当然、自衛隊を派遣し、日本船を護衛する。更には外国船も護衛する。こんなこと国際社会の常識だと思うのですが、憲法の制約上、甲論乙駁の状態です。
世の中の実態に合わなかったら、憲法を改正する。これが世界の常識ですが、日本ではこの常識が通じない似非文化人が結構多いです。メキシコでは、1917年の憲法制定以来、405回も憲法を改正したそうです。
世の中の出来事を、「三方得徳のシナリオ」でじっくりと見ると、何が正しいかが見えてくるのではないかと思っています。そして、何が正しいかは、以外とシンプルかも知れません。世の中複雑になりすぎたので、シンプルに考えることも大事と思います。
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コメント
正規雇用社員の解雇を簡単にすることと法定福利費を下げることも政府のやるべきことではないでしょうか?
投稿: tora | 2009年3月23日 (月) 15時53分