boblog「マーキュリー通信」no.1162【日本人が知らない感動秘話「海の武士道」を読んで】
恵隆之介著「海の武士道」(産経新聞出版1680円)は、第2次世界大戦の最中、漂流した400人以上の敵国英国海軍兵を救った帝国海軍工藤中佐の感動の実話です。中曽根元首相や上智大学名誉教授渡部昇一名誉教授も推薦している。
この事実は戦後長らく日本人には知られていませんでした。現在89歳で、元英国海軍サムエル・フ
ォール少尉(現在はサムエル・フォール卿)が死ぬ前に工藤俊作中佐に感謝の意を捧げるために工藤
中佐の墓に墓参したいとの強い願望からその事実が日本人の知るところとなりました。
元英国政府外交官サムエル・フォール卿は、「私の人生の最高の師は、日本帝国海軍中佐工藤俊作
である。私は彼によって命を救われたばかりか、「武士道」というものを学ぶことができた。」と工
藤中佐に最高の讃辞を送っている。そして、昨年12月8日に再来日し、都内で日本人有志と共に、当時の駆逐艦「雷(いかずち)艦長工藤中佐を偲ぶ顕彰祭を挙行しました。
サムエル・フォール卿は、1942年当時20歳の英国海軍少尉だった。当時、同少尉が乗っていた軍艦は敵艦に撃沈され、422名が海に放り出され、1昼夜冬の海を漂流していた。工藤中佐が発見した時、殆ど全員息絶え絶えの状態だった。
工藤中佐が指揮する駆逐艦「雷(いかずち)」の乗組員数は僅か220名、漂流兵より200名も少ない。駆逐艦「雷(いかずち)」は、漂流兵を全員を収容するスペースもない。そのまま放置しておけば必ず死に、海の藻屑となるはずだった。しかも敵兵である。
しかし、工藤中佐は人道的立場から、漂流兵全員を救助する決断をする。自力で駆逐艦「雷(いかずち)」の甲板に這い上がる力のない漂流兵に対しては、日本兵が海に飛び込み、救出した。
日本兵の必死の救出作戦の結果、漂流兵422名全員無事救出された。救出された漂流兵は捕虜兵となるが、この捕虜兵に対し、工藤中佐は、人格ある人間としてゲストとして向かい入れた。工藤中佐の指示に従い、日本兵たちは、重油と汚物にまみれた捕虜兵の体を洗い、自分たちの食べる食料や衣服まで分け与えた。
死を覚悟していたサムエル・フォール少尉は、工藤中佐に一生涯感謝を捧げた。そして、60年の時を経て、英国人からこの事実が明らかにされた。
新渡戸稲造博士が賞賛する「武士道」は、ここにも生きていた。工藤中佐の武士道は、サムエル・フォール卿の騎士道に引き継がれ、日英同盟100周年の記念行事へと引き継がれてれていった。
それではなぜこのような美談が日本国民に知られていなかったのか?
当時の米国占領軍GHQは徹底的な情報統制を強いていた。日本の軍隊を、国民に対し徹底的に悪者扱いするよう試みた。その1つが戦後徹底された日本人の自虐史観であり、GHQの意図はその通り実行され、左翼勢力やマスコミにより喧伝され続け、歪曲された自虐史観があたかも正しい歴史認識のように定着してしまった。
この度本書は自民党小池百合子氏の尽力で、小中学校の副読本として製作が決定しました。戦前の日本政府や日本軍を全否定するすり込まれた自虐史観を正していくには良い教材といえます。
さて、著者恵隆之介氏は、元海上自衛隊に勤務していたが、日本国憲法の制約に縛られた自衛隊の無力さに絶望し、自衛隊を去ります。
沖縄生まれで現在も沖縄在住の恵隆之介氏は中国の脅威を感じています。世界に冠たる平和憲法と左翼勢力からは賞賛されているが、一方で現行憲法は国防上極めて危険な憲法であり、それを実務的に実感している恵隆之介氏は改憲の重要性を訴えています。
◆◆◆◆◆◆◆編集後記◆◆◆◆◆◆◆
友人から国連に関する面白い話を聞きました。国連、即ち国際連合は英語のUnited Nationsの略ですが、もともとは連合国、即ち第2次世界大戦の戦勝国の連合体であり、日本語訳に「国際」を冠するのは間違いだそうです。
従って、国連いや戦勝国連合体は、当然戦勝国の論理で動き、常任理事国には戦勝国である米英仏露中の5カ国の思惑で動いているわけです。
従って、民主党が国連外交を掲げるのは笑止千万であり、戦勝国連合体からみればお笑いものにされているに過ぎません。そんな歴史認識のない日本政府はこれまでお金だけ戦勝国連合体からむしり取られてきました。
従って、国連外交を中心とする友愛外交という意味不明な外交政策は、民主党政権になってから、その中身のなさが露呈し、民主党政権が短命に終わる最大の要因とることを多くの識者が指摘しています。
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※新しくできた幸福実現党のサポーターをしています。
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コメント
菅谷 様
おひさしぶりです。
いま、ウズベキスタンのタシケントで、のんびりしながら、日本語教育を行うかたわら、声楽の勉強をしています。
さて、ウズベキスタンも旧ソ連圏ですが、ロシアのような、IMF-市場化路線をとらず、日本流の産業政策をとり
漸進的な自由化政策を採ったため結果として今回の金融危機の影響は軽微となっています。
さて、今の日本の状況ですが、自殺率世界第8位、年30,000人以上となっている事実に対して、どのようにおかんがえですか。
第1位はリトワニア、2位がロシアで以下7位までは旧ソ連圏の国で、次が日本です。
旧ソ連圏は体制の急転換に適応出来ないことが、その原因とされています。
日本については、その説明がされていませんが、”体制変換によるーーグロバリズム”による、弱者、
の切捨てが原因であることは変わりありません。
今回、民主党が政権を握るのは、、財界、官僚の談合体制のもとに弱者きりすて独裁を行ってきた自民党政権にたいする
批判ではないですか。
ただ、民主党も元田中派の流れ、社会党の流れといったごちゃ混ぜですから、どういう方向性をとるか、監視していかなければ
ならないと思います。
イギリス労働党も、極左マルクス主義者はをその内部に抱えつも、現実路線をとり政権を担っていますが、民主党が、イギリス労働党、西欧社民主義の経験をいかして、国民福祉増進を行うか監視する必要があると思いますが。
ところで幸福党というのはどの社会階層の幸福を考える党なのですか。
さて、話はかわりますが、海軍関係の本で、是非お勧めしたし本があります。
島田謹二 著 の ロシアにおける広瀬武夫という本です。(朝日選書で絶版ですが古書店で手にはいります。)
広瀬武夫というのは、言うまでもなく、旅順港閉塞作戦に志願し、爆死し、最初の海軍軍神になり
戦前は、小学唱歌でも ”杉野はいずこーーー”と歌われていましたが、戦後教育からは勿論、
消しさられてしまいました。
戦意高揚のために海軍が作りあげ、一般の国民が持ったイメージとは」違う広瀬像を発見できると
思います。
タシケント在
一杉 次郎
投稿: jironka | 2009年8月25日 (火) 01時02分