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2009年9月 3日 (木)

boblog「マーキュリー通信」no.1168【エコノミスト格付け第1位菊池英博氏が語る「消費税は0%にできる」】

幸福実現党が消費税撤廃を掲げ景気浮揚策を提案しています。

 最近出版されたエコノミスト格付け第1位菊池英博氏が語る「消費税は0%にできる」(ダイヤモンド社刊1575円)も、論点が幸福実現党の政策と7~8割方似ています。

 菊池英博氏は東大卒後に東京銀行に入り、東銀では国際経験豊かな方で、東銀では豪州東銀取締役社長まで経験した方です。
 現在は、東銀時代の豊富な海外経験を生かして、国際エコノミストとして活躍し、本年25人のエコノミストの格付で第1位を受賞した方です。

 菊池英博氏の主要な論点を簡単にまとめます。
 
 現在の不況の原因は小泉内閣の構造改革にある。
 プライマリーバランスをとりながら財政の健全化を図ったことが最大の失敗といえる。この政策により、デフレ経済が長期化し、税収が落ち込んだ。
 又、小泉政権が掲げた市場原理主義が日本の良さをなくしてしまった。即ち、とにかく儲ければよい、道徳観と倫理観はない、自由化、規制緩和、所得の再分配の否定等々これにより所得格差が進み、社会的不安定を助長した。

 そして、郵政民営化は米国の手先となって米国が一番ほしがっていた簡保資金を米国資本に売り渡した。
 菊池氏に言わせると、小泉内閣は戦後内閣で亡国的な最悪内閣といえる。今、その後遺症に日本全体が苦しんでいる。

 さて、本書のテーマに戻ろう。
 菊池氏は税の性格に言及する。
 消費税は、当然消費行為に課税するものだから、増税すれば消費行動にマイナスとなる。事実、97年橋本内閣の時に3%から5%に増税した為に、消費が低迷し、平成不況に突入した。
 橋本首相に対し、当時のクリントン大統領が消費税増税は不況を招くからやめるようにアドバイスしたが、橋本首相は聞き入れなかった。その後、クリントン大統領のアドバイスがその通り的中したために、橋本首相は自分の過ちに気づき、クリントン大統領と日本国民に謝罪した。
 
 小泉改革の影響で、200万円以下の低所得者層が急増した。又、今後年金生活者が増加していく。消費税の増税は、可処分所得の低下に繋がり、当然消費の低迷に繋がっていく。税の逆進性にも繋がる悪税といえる。

 一方、法人税や個人所得税は収入に対し課税される。従って、収入が増えると政府の税収の増加に寄与する。

 ここに着目し、米国経済を見事立ち直らせたのがクリントン政権でした。8年間のクリントン政権時代、財政出動により成長分野に積極的に投資していきました。
 一方で、レーガン政権時代に累進課税率を緩和したものを、大企業や高額所得者には増税しました。
 菊池氏は、家計と国家の財政は違うことを強調しています。家計は収入の範囲内でやりくりするのが健全財政です。
 これに対し、国家の財政は異なります。極論すると現在ある個人の金融資産1500兆円を担保に国債を発行したとします。個人の場合、この1500兆円、仮に1500万円とすると、これは借金となり、借りた金は返さなければなりません。右肩上がりの時代ならともかく、先行き不透明な時代ではリスクが大きくなります。
 しかし、政府の国債、即ち借金は個人の借金と異なります。つまり、この借金は新たな投資であり、その投資が税収増となって返ってきます。そして、数年の後にその借金は返済できることになります。クリントン政権時代に実績で証明しています。

 クリントン政権の次のブッシュ政権では、市場原理主義を導入し、バブリーな米国経済を演出し、その後バブルが弾け、世界的大不況を引き起こしました。市場原理主義の失敗は、レーガン政権時代に証明されたのに、愚か者は共和党政権の経済政策であるという理由だけで、その間違いを踏襲した。小泉政権では、ブッシュ政権を模倣し、見事に失敗し、その後遺症に苦しんでいます。

 菊池氏の結論は、「クリントン政権の経済政策を真似よ!」。つまり「積極的な財政出動をして成長戦略を描け!」ということです。
 これに対し、「国家財政は破綻状態であり、更に財政の不健全化が進む」と反論するエコノミストが必ず出てきます。

 ここで我々の常識が覆されます。「日本の国家財政は健全である」と菊池氏は主張します。確かに現在838兆円の国家債務がある。しかし、社会保障基金、内外投融資等、外貨準備高の金融資産が549兆円もあり、国家債務から金融資産を差し引いた純債務は289兆円に大幅に減少する。GDP比58%であり、世界的に見ても極めて健全レベルといえる。

 さて、ここで消費税0%説が登場してくる。
 消費税5%は10兆円に相当するが、これはいわゆる埋蔵金を使えば十分吸収できる。その埋蔵金は一般会計とは別の特別会計に巨額な埋蔵金が蓄積されている。
 2007年度決算で、次年度繰越金103兆円、外貨準備金の運用益4~5兆円、社会保証金残高222兆円、外貨準備金残高116兆円が上げられる。更には個人金融資産1500兆円も活用しようと思えば活用できる。そして、財政投融資による成長路線を歩むことで税収増が期待できる。

 それでは何故財務省は財政危機をあおり、消費税増税を画策するのか。それはこれまでの過ちを認めたくない歪んだ役人意識が最大の原因といえる。この間違った説を御用学者やマスコミを通じ、国民に思いこませてきたので、年金財源を賄うためには消費税増税は避けられないという先入観を植え付けることに成功してきた。

 しかし、菊池氏は財務省のやっていることは、戦前の軍国主義国家と同じと主張する。当時のマスコミは大本営発表をそのまま国民に伝え、無謀な戦争へと突き進み、国民に多大な被害を与えた。

 間違った小泉改革により自殺者は増加している。毎年3万人以上の自殺者は戦前の戦死者に相当する。このまま間違った経済政策を続けるなら、更にデフレは進行し、消費税の増税は税収減となり、国家の財政破綻へとまっしぐらに突き進んでいく。財政が健全な今こそ、財務省は自らの経済政策の過ちに気づき、クリントン政権時代の経済政策を模倣すべきである。幸いオバマ政権もブッシュ政権の経済政策と決別し、ニューグリーンディール政策を標榜しているので日本もそれに追随すべきである。

 鳩山新政権の経済政策に子供手当の新設がある。少子化対策の根本的改善には繋がらない政策なので私は反対です。しかし、当面の景気対策には多少効果があると言われている。しかし、鳩山新政権には成長戦略がないのが最大の欠陥です。
 埋蔵金を財源に充てても、成長戦略がなければ、中長期的な税収増には繋がりません。
 もし、鳩山新政権が、小泉内閣の経済政策を否定するだけでなく、成長戦略を採用するなら、取りあえず民主党から国民の評価は高まります。

 格付第1位のエコノミスト菊池氏の出版が契機となり、日本も経済政策をデフレ政策から成長戦略へと是非舵取りを変える議論が活発になってほしいと期待します。

◆◆◆◆◆◆編集後記◆◆◆◆◆◆◆◆

  小泉元首相が「自民党をぶっ壊す!解党的出直しを図る!」と声だかに叫び、それが今回の総選挙でものの見事に実現しました。
 一方、日本もぶっ壊されていました。
 現在の日本を見ると、100年に一度の不況だけでなく、日本人の心、良さまで失われてしまったと感じる日本国民は多いと思います。
 実はその張本人が小泉元首相だったことが本書を読むことで理解できました。聖域なき構造改革の行き着く先は、結局日本がぶっ壊されていたわけです。
 
 尚、郵政民営化の大失敗は、最近のベストセラー書「売国者たちの末路」(副島隆彦、植草一秀共著、祥伝社刊)にも詳しく記載されています。

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