boblog「マーキュリー通信」no.1174【引っ込められた天下分け目の戦い】
今年のNHK大河ドラマ「天地人」は一般的には余り知られていない上杉藩家老直江兼続が主人公です。武田信玄の山本勘助の時でも直江兼続の名前は記憶にありません。しかし、この無名の戦国武将を戦国時代では異色の「義と愛」の武将と称え、毎回楽しみにしています。
さて、昨夜の物語は、家康の奸計に嵌り、落ち込んでいる石田三成を励まし、「私利私欲の固まりの家康を討つべし!」と直江兼継が関ヶ原の戦いを勧める場面でした。
家康は兼続の策略に怒り心頭、10万人の軍隊で兼続の会津藩を攻めに行く。会津藩を直前にして、石田三成が関ヶ原で挙兵した情報を入手し、関ヶ原に引き返すことを決断した。
その時、家老兼続は、会津藩主上杉景勝に家康を背後から襲うことを進言し、家康軍を破る千載一遇のチャンスと熱烈に主君に訴えた。しかし、会津藩主上杉景勝は、敵を背後から攻撃することは上杉謙信公の義の精神に反すると首を縦に振らなかった。
もし、この時、会津藩主上杉景勝が、他の戦国武将と同様の行動に出ていたら家康軍は滅び、関ヶ原の戦いも起こらず、歴史は大きく変わっていたかもしれない。
NHK大河ドラマ「天地人」では、家康を私利私欲の塊のような戦国武将ととらえ、一方、石田三成に関しては私利私欲がない頭脳明晰な文人派の戦国武将と捉えている。但し、頭が切れすぎ、人の上に立つ器ではない。それを三成もよく知っていた。
従って、もし石田三成が天下を取っても、天下を治める器量に欠ける。会津藩主上杉景勝も然り。
武将としては優秀だったが、政治的リーダーシップには欠けるとの評価です。
このことは、「謙信・景勝と直江兼続-義と愛の戦国武将」(新野哲也 ベスト新書790円)に詳しく書いてあります。
私利私欲の家康を、私利私欲のない三成が倒すという義は一見正しく見える。しかし、天下を治める器でない武将が治めたら戦国の世は治まらない。
会津藩主上杉景勝がそこまで読んでいたかどうかは定かではありません。
結局、家康以外100年以上続いた戦国の世に終止符を打つ器の戦国武将はいなかったことを考えると、会津藩主上杉景勝の判断は大局的見地から見ると正しかったといえる。
さて、鳩山民主党の治世がいよいよスタートします。現在は戦国乱世と似ているかもしれません。
価値観が喪失し、少子高齢社会で先行き不安いっぱい、低所得者層の急増、経済恐慌と八方ふさがりの状態。これを解決するには強力なリーダーシップが要求されます。
しかし、経済政策はばらまき政策であり、国防は殆ど無策に近い。
そして、国民の支持を全く受けていない社民党と連立を組んだのが今後の火種となりそうです。
社民党は、生活再建を謳っていますが、企業の業績回復なくして生活再建はありえないことを相変わらず理解していません。
国防政策に関しても、私が大学生の頃、40年前の非現実的な抽象論から殆ど変わっていません。下駄を履く人は殆どいないのに、未だに下駄を売っているのが社民党なのに、自らが気づいていないのが最大の不幸であり、今回連立政権に名を連ねたのが、国民にとって、大きな災いとならなければいいことを祈ります。
◆◆◆◆◆◆編集後記◆◆◆◆◆◆◆
歴史大河ドラマと並行的に関連書物を読むと、別の見方や新たな発見ができて面白いです。
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