「マーキュリー通信」no.1250【シリーズ日本の生命保険の意義と問題点を再考する-7「生命保険は自分のライフサイクルに合わせて掛ける」】
本シリーズ第7回で、新卒の新入社員が保険のおばちゃんのかもになっ
て、分け分からず5千万円の死亡保険金を掛けさせられている実態を説
明しました。
日本の生命保険はとにかく分かりづらいです。商品名だけ見ても保険内
容がよく分かりません。更に特約がつくので一層分かりづらくしていま
す。
しかし、生命保険を掛ける基本は、自分のライフサイクルに合わせて、
必要な生命保険を掛ける。これにつきます。
未婚の若い男性は無茶が多いです。従って、けがを中心とした入院保険
が主体です。
結婚すれば、一家を支えるという責任が出てくるので、死亡保険が必要
です。
死亡保険金額をいくらにしたら良いのか?
それは、子供の数と、夫婦共稼ぎかどうかとか、その家族によって変わ
ります。
又、世帯主の年収により生活水準も異なるので、それも考慮します。
又、中小企業の経営者の場合、その経営者が万一死亡もしくは高度障害
になった場合、会社の経営が立ち行かなくなることを想定して保険を掛
けておく必要があります。
一方、疾病保険もライフサイクルと職場の実態に合わせて掛けることが
必要です。
最近は、入院60日とか、90日とか比較的短期が主流のようです。
しかし、これは保険の本来の趣旨から見たらおかしいです。
短期の入院には、健康保険から高額医療の保障制度があり、実際に負担
する金額は僅かです。従って、短期の入院なら生命保険はいらないくら
いです。
本当に必要な入院保険は長期です。大病して長期入院を余儀なくされた
場合、現在勤務している会社はいったい何日まで面倒を見てくれるのか
、ここがポイントです。
仮に180日(6ヶ月)を超えたら肩たたきの対象となるなら、180
日以上の長期入院保険に加入すべきです。
尚、定年以降の高齢者の場合、死亡保険より入院やけがの保険を中心に
考えることが必要です。
特に年金暮らしでぎりぎりの生活を送っている人は、入院やけがに備え
て、保険を掛けておくことが賢明です。
さて、生命保険は基本的には掛け捨てです。
高度成長の頃の高い配当率の頃は、貯蓄も兼ねていたので、貯蓄型の生
命保険はそれなりにメリットがあります。
しかし、ゼロ金利の今日貯蓄タイプの生命保険はお金のムダです。
但し、年金破綻の現在、若い人は年金タイプの保険には加入することも
必要です。
年金タイプの保険に加入すると、通常の生命保険と合わせ、年間17万
円まで所得控除と住民税の控除が受けられます。
とにかく、生命保険の代理店の話に言いなりになると、高い生命保険料
を支払わされることになります。
まずは、自分のライフサイクルをチェックし、どのような生命保険を必
要とするのかを計算し、そこから生命保険の代理店に相談するというプ
ロセスが重要です。
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