「マーキュリー通信」no.1318【JEA起業家カレッジ開講記念株式会社OKWave兼元謙任社長講演を聞いて】
兼元社長は、ホームレスのどん底まで落ち込み、そこから這い上がり、
OKWaveを上場させたど根性社長です。
その原点がどこにあるかが興味深かったです。
子供時代、名古屋に住んでいた頃のことです。
兼元さんは在日朝鮮人3世です。
母親が役所で指紋捺印を強制され抵抗していたところを、小学校の友人
が見ていました。
それ以来友達から「朝鮮人、朝鮮人」とさげすまれ、差別され始めまし
た。「おまえは朝鮮人なんだから便所のうんこをなめろ!」と言って、
うんこをなめさせられました。この屈辱を兼元少年は一生忘れません。
その時の屈辱から、ノイローゼとなり、自分を産んだ親を恨みました。
そして、原因不明の筋萎縮性側索硬化症となり、車いす生活となりまし
た。
ある時、占い師の女性から、「あんたの前半生は運が悪いが、後半生は
運が良くなるよ」と言われ、そこから「悔やんでいても仕方がない」と
人生に対する見方が変わり、リハビリをしながら、立ち上がることがで
きました。
OKWaveとは、皆様の教えて(O)と、答える(K)を世界に波(WAVE)のよ
うに広げていくことから、社名をOKWAVEとしました。
FAQの分野は未開拓の分野でした。この分野ではトップシェアの33.5%を
誇ります。
楽天の三木谷社長から認められ、出資していただいたのが、運命の好転
のきっかけとなりました。
しかし、立ち上げの3年間は赤字の連続でした。その時、三木谷社長か
ら、「そんな赤字の会社なら、いっそやめてしまえ」と突き放されまし
た。
この時、三木谷社長は、兼元社長の反応を見ていたようです。事業を簡
単に諦めるような男なら、自分の見込み違いだった。しかし、兼元社長
は、三木谷社長の諫言にめげず、どん底から這い上がってきました。
そして、会社は成長軌道を描き始めました。
「グーグルを超える日」という本を出版したら、米国マイクロソフト社
に注目され、出資してくれました。
なぜ、OKWaveが急成長できたのか。それはコンテンツにあるのではない
か。
企業のカスタマーセンターの業務は、できるだけ多数のお客様からの問
い合わせに、できるだけ満足のいく形で効率よく対応していくという二
律背反と向き合っている。
一方、OKWaveの役割は、サイトの質問者に対し、善意の個人が、できる
だけ丁寧に答えている。そこにはコストパフォーマンスという考え方が
ない。この丁寧さが受けているのではないか。
兼元社長の夢は大きく、世界100カ国にOKWaveの波を広げていくことで
す。まだ大言壮語と言われそうですが、夢は大きく持つことが肝要。そ
れがいつか叶うことになる。
まだ43歳と若い兼元社長のことだから、そう遠くない時期に達成してい
ることでしょう。
因みにOKWaveの社員採用方針は、OKWaveが好きであること、OKWaveと一
緒に人生を歩んでいきたいと真剣に思っている人だそうです。
こういう考え方の社長の所には、きっとそういう人材がどんどん集まり
、会社の成長の原動力となっていくことでしょう。
最近、Freeという本がベストセラー書となり、無料からは入り、いかに
ビジネスチャンスに繋げていくかが注目されています。
こういう発想は、私の年代にはなかったので、Freeの発想を取り入れ、
企業を発展させていった兼元社長の慧眼には大いに学ばせていただきま
した。
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