「マーキュリー通信」no.1366【衝撃の映画、脱北者のドキュメント映画「クロッシング」を観て】
前評判の高い映画「クロッシング」は4月17日に封切られました。
この映画は、90年代後半独裁者金日成主席の死亡で北朝鮮がパニック状態に陥り、餓死者が200~300万人も出たといわれた時代を取り上げています。
この映画は、脱北者の証言を基に韓国人が制作したものです。
主人公のヨンスは元サッカー選手だが、今は炭鉱労働者として働いている。
しかし、妻は栄養失調で結核を患い、身重の状態。北朝鮮には、結核を治す薬がないため、ヨンスは脱北を決意する。
ヨンスは妻と息子ジュニを北朝鮮に残し、必死の思いで川を渡り、中国にたどり着く。
そこで待っていたのは過酷な重労働。ヨンスは妻の薬を手に入れるために、必死に働く。そして、何とか薬を手に入れる。
しかし、ヨンスの元へは妻の死の悲しい知らせが届く。ヨンスは自暴自棄になるが、彼を救ったのは友人からもらった聖書だった。聖書には、死後の世界があると書かれており、それを信じて妻のいる天国へ還れると希望をつなぐ。
友人は聖書をもっていることが公安警察に知れ、刑務所に入れられ、拷問を受けて、死んでいく。その結果、娘ミソンは孤児となる。
ヨンスの息子ジュニは、ある日友人の娘ミソンと偶然再会する。ミソンは栄養失調で衰弱し、体はウジ虫がたかっていて腐乱し、息も絶え絶えの状態でした。
ミソンの最期、ジュニはミソンを自転車に乗せて、一緒に付近の草むらを乗り回す。
ミソンはジュニの体につかまりながら、聖書の言葉を信じ、「私とても幸せ、これで天国へ行ける」とつぶやき、途中で息は途絶える。
さて、ヨンスの息子ジュニも母が亡くなった後、脱北を決意する。家財道具を売った幾ばくかのお金を手にして、脱北ルートを扱っている闇組織に裏金を渡して脱北にトライする。
ヨンスは中国で何とか生計を立てるところまで持ち直す。そして、息子ジュニとも携帯で連絡を取れるようになる。息子のために、好きなサッカーボールを買い、息子に会えることを心待ちにする。携帯電話を通じ、親子の心は国境を越えて1つになる。
息子ジュニは、父親に会いたい一心で必死に脱北に成功する。
ヨンスは、モンゴルのチンギスハン空港で降りて、モンゴル国境まで息子ジュニを出迎えるつもりでいた。
ヨンスは、息子は栄養失調だろうと思い、サプリメントを大量に購入する。これが裏目と出る。空港の税関検査で、サプリメントを麻薬と勘違いされ、空港に留置される。
一方、息子ジュニは、モンゴル国境の広大なゴビ砂漠を、父親に会える夢を抱きながら、一人黙々と歩いて行く。夜が来たので、ゴビ砂漠で野宿する。
ジュニの脳裏には、父や母との楽しかった思い出が走馬燈のように駆け巡る。満点の星空がとてもきれいだった。
しかし、夜のゴビ砂漠は気温が急に下がる。そして、そのまま帰らぬ人となる。ジュニはきっと天国へ還ったことでしょう。
本映画で訴えたかったことは、「絶望の淵に落とされても、家族の愛で人間は支えられる。それさえもなくなった時、人間は神仏に救いの手を求める。」ことを感じました。
一方、同じ朝鮮民族なのに、共産主義と資本主義の違いで南北に分断され、天国と地獄の違いを味わう不条理さを訴えています。
映画クロッシングを観て、何度も何度も涙がほおを伝っていきました。
この映画は、是非共産党、社民党の人にも観てほしいと思います。
彼らは、共産主義、社会主義こそが正義と頑なに思い込んでいるようですが、映画クロッシングを観れば、自分たちのやっていることの間違いに気づくはずです。
今年、日米安保同盟50周年ですが、米国は安保破棄も検討しています。
もし、そうなったら日本の国防上重大な危機となります。
米国の庇護のない日本なら、隣国の中国、北朝鮮が攻め込んでくることが容易に予想されます。
その時は、共産主義社会に移行し、言論弾圧、検閲等がまかり通る社会となります。
今の民主党の政策は、まさにマルクス・エンゲルスの共産党宣言の内容と酷似しています。
小沢一郎の全体主義体制も見え隠れしています。
映画クロッシングを観て、共産主義社会の恐ろしさを痛感しました。
同時に、今の幸せを自分たちの子供、孫の代まで受け継いで行くには、我々が努力しなければならない思いを強くしました。
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