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2010年9月20日 (月)

「マーキュリー通信」no.1489【未来ビジョン・目指せ!新しい国づくり!-29「人生100年時代、75歳まで働く前提で社会制度を再構築する」】

本日は敬老の日です。

厚生労働省の発表では、百歳以上の高齢者の数は、年々急速に増えています。老人福祉法が制定された昭和38年には全国で153人でしたが、昭和56年には1千人、平成10年には1万人を超え、本年は4万人を突破し、40,399人(前年比+4,123人)となります。

また、百歳以上の高齢者40,399人のうち、女性が34,952人となっており、全体の約6.5%を占めています。

百歳以上の高齢者の増加率は昨年比11.4%で、この比率は最近では毎年同じ傾向にあります。

この比率で今後増加した場合、百歳以上が百万人を超すのが今から30年後の2040年となります。

更に我々団塊の世代が全員百歳以上となる39年後には、百歳以上が272万人となります。

金利の複利効果(レバレッジ)は皆さんご存知だと思いますが、このレバレッジ効果は百歳以上の高齢者の増加率にも当てはまります。

さて、現在の政府の社会福祉制度は人生80年時代を前提に、65歳定年を掲げています。

しかし、もう既にこの制度は破綻をきたしつつあります。

従って、今から人生100年時代を前提とした社会制度の組み替えをする必要があります。

人生100年時代においては、一応75歳まで働くことを前提とします。但し、企業には定年制度は義務づけません。
なぜなら高齢者の場合、加齢と共に個人差が大きくなるからです。

その代わり、高齢者を採用した企業には税制を含め様々な優遇措置を与えます。高齢者だけの別会社を作っても構いません。

例えば、平均年齢65歳以上の企業には現在の法人税率を65%軽減することにします。平均年齢75歳以上の企業なら75%軽減、平均年齢80歳以上の企業なら80%軽減、百歳以上なら百%軽減します。つまり法人税はゼロです。

こういう優遇税制を実行すると、企業は様々なアイデアを考えます。高齢者が寝たきりにならず元気に過ごせる最大の要因は社会と接点を持ち、社会から必要とされていることを自らが自覚する時です。

従って、人生100年時代のコンセプトは、生涯現役です。

高齢者の能力や経験と意欲に合わせて職場を選ぶようにします。もちろんボランティア活動を希望する高齢者にはそちらを選択させます。

現在高齢者が死亡する時、平均3000万円の金融資産を残すそうです。貯金する理由として、いざという時の為だそうです。

イタリア人は死ぬ時に殆どお金を残さないのと対照的です。

以前100歳の双子の姉妹金さん銀さんがご褒美に戴いた金一封を「老後の為にとっておきます」といった笑い話がありました。

それなら、いざという時の為に政府が保証する仕組みを創れば、お金を貯め込む必要がないわけです。

例えば、個人の金融資産を活用して、介護機能付きの老人ホームを建設します。本人が希望すれば、介護機能付きの老人ホームの中から本人が気に入った老人ホームにいつでも入居できるようにします。

いずれにせよ、現行制度を放置したままにしておくと、年金制度破綻の加速化、寝たきり認知症老人の増加等様々な社会問題が急増していきます。

敬老から軽老に変わり、老人のいじめや虐待が社会問題化していきます。有名なロシアの文豪ドストエフスキーは、小説「罪と罰」で主人公のラスコーリニコフが社会の役に立たない老人を殺害した事件を取り上げていますが、現代の「罪と罰」事件がいつ起こるかしれません。

その為にも、政府は人生100年時代に即した新しい国家ビジョンを掲げるのが国家の責務といえます。

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