「マーキュリー通信」no.1550【マスコミが書かないミャンマー(ビルマ)の裏事情】
ミャンマーに18回も出張し、ミャンマーの政治経済社会に詳しいS理事長の話を伺いました。
ミャンマーはご存知の通り軍事政権の独裁国家です。
マスコミ情報から知るミャンマーのイメージは、治安が悪く、軍事政権の独裁国家という悪いイメージです。一方、軍事政権の政敵であるアウン・サン・スーチー女史は一般庶民の味方であり英雄扱いです。
しかし、実態はどうも異なるようです。
治安は却って中国より良いそうです。
軍事政権の独裁国家といっても、アウン・サン・スーチー女史は自宅で軟禁状態です。
一方、中国ではノーベル賞作家劉暁波氏は、刑務所で監禁状態です。
ミャンマーは元来親日国家で、国歌に大日本帝国時代の軍艦マーチを採用しているくらいです。
さて、ミャンマーの軍事政権を欧米諸国は認めておらず、日本もそれに倣っています。
しかし、この軍事政権を、中国、ロシア、インドが支えています。特にインドは、ミャンマーの豊富な天然資源や食糧、安い労働力を高く評価し、軍事的にも経済的にも支援しています。
ミャンマーの平均月収は3千円程度と極めて安価で優秀な労働力なので、最近では中国の工場が進出しています。
最近、軍事政権が20年ぶりに総選挙により政権を樹立したのですが、もしアウン・サン・スーチー女史が軍事政権を倒した場合には、同国の政治は極めて不安定なものになるとのことです。
その遠因に、英国がビルマ統治時代に、いくつかの地方の軍部を制圧し
た名残があり、いくつかの軍部のバランスの上に成り立っており、アウン・サン・スーチー女史ではコントロールできないそうです。
ミャンマーは5カ国と接していますが、最重要国は中国です。中国としては、ミャンマーを衛星国家として従え、拡大する中国経済の食糧と天然資源の供給国という重要な位置を占めています。
このような見方をすると、ミャンマーも日本に取り、アジアの重要な国の1つに位置づけられることになります。
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