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2010年12月26日 (日)

「マーキュリー通信」no.1578【チャイナリスクを考える-3「中国人のものの考え方は日本人と全く違うことを理解する」】

ソ連が崩壊し、東西冷戦が終結し、既に20年近く経ちます。世界は軍縮へと向かい、平和な時代が到来するのかと思っていました。

しかし、一方で中国は過去20年間ひたすら軍拡を進めてきました。中国は中華思想に基づく新たな覇権主義、中国型植民地政策を国家戦略に掲げ、着々と実行しています。

中国の経済発展に伴い、日本の産業界はひたすら貿易拡大を進め、その結果いつの間にか米国を抜き、中国が日本の最大の貿易パートナーになりました。

日本の産業界の性癖として、良いと思うと集中豪雨的にある地域に進出していきます。

今年は尖閣問題に端を発し、日本の産業界がチャイナリスクを考えるようになりました。

中国とビジネスをする際に、政経不可分であることを肝に銘ずべきと思います。日中合弁で作った工場を、いつ没収されるかもしれないというリスクを考慮しながら、経営の舵取りをする必要があります。

従って、今後はより他の東南アジア諸国への投資をシフトさせ、リスク分散していくことが、チャイナリスクを回避する再有効策といえます。

さて、中国の軍事的脅威は、昨年来機会ある毎に訴え、現実にその通りになって来ています。

私自身、中国関連書籍を10冊以上読み、中国とはどういうものかをある程度理解するに及びました。

私自身中国人との接触が比較的少ない為、中国人を恨んだり嫌ったりしたことは一度もありません。

しかし、現在の中国は人口の1割を占めるに過ぎない共産党が、中国全土を牛

耳り、共産党の為の政治を行っているところに最大の問題があります。

これまで「チャイナリスクを考える」と題して2回boblog「マーキュリー通信」で書きましたが、本日3回目は元中国人で、中国を捨て日本人に帰化した政治評論家石平氏の著書「私はなぜ中国を捨てたのか」(WAC出版 940円)

の感想を簡単にご紹介します。

1962年生まれの石平氏は、毛沢東国家主席による反日思想教育を徹底的にたたき込まれてきた世代です。

しかし、その後毛沢東国家主席による反体制派の徹底的弾圧、処刑を知るに

り、毛沢東国家主席による共産主義を基礎とする理想国家は全くの幻影に気づ

きます。
毛沢東国家主席により葬られた中国人は1億人とも言われているそうです。

一方で、「日本人は生まれながらにして悪魔」という反日思想教育を受けてきたが、来日してみてそれは全てウソであることを経験する。

石平氏は、日本に来てから、孔子の儒教の教えが延々と日本に息づいているこ

とに気づき、日本人から儒教を学んだそうです。

自分の受けてきた反日思想教育と共産党主導の中国の現実は、全く逆であるこ

とを知った石平氏は、その余りにものギャップに悩み、悩んだ末、祖国中国を捨て、日本人に帰化しました。

そして、現在政治評論家として、蛮勇をふるって過った中国の政策を正す為に、日夜講演活動を続けています。

今年、世界ノーベル平和賞を劉暁波氏が受賞しましたが、石平氏は、劉暁波氏こそノーベル平和賞を受賞するにふさわしい人物だと評していました。

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