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2011年6月12日 (日)

「マーキュリー通信」no.1706【もし渋沢栄一が日本の総理なら、東日本大震災の危機をどのように乗り切ったでしょうか?】

政権抗争は泥沼化し、阿修羅地獄のようになって来ました。
私には、タイタニック号の船長の座を巡って、愚かな抗争しているようにしか見えません。
次の総理が決まっても、短命であることには変わりはないでしょう。

タイタニック号の浸水は次第に激しくなり、気がついた時には、一気に沈没してしまうそんな嫌な予感がします。

タイタニック号の沈没とは何かは今は語りませんが、その内現実となって現れてくることでしょう。

さて、近代産業の祖、渋沢栄一は、関東大震災に遭遇しました。その時83歳でした。渋沢栄一は、「私のような老人は、こういう時に、いささか働いてこそ生きる申し訳が立つようなものだ」と言い放ち、老骨に鞭を打ち、獅子奮迅の活躍をしました。

関東大震災では大火災が発生し、10万人以上の人が火事で亡くなりました。

関東大震災の復興に関し、政府の後藤新平と伊東巳代治が復興方針で大激論を交わしていました。

後藤新平は、帝都復興の為に、100メートル道路を建設するなど未来の日本を見据えた大胆な提言をしました。

これに対し、伊東巳代治は、銀座の大地主の立場から、私権制限に反対していました。

そこに渋沢栄一が、帝都復興の為に、産業復興を中心とした提言をして、両者の対立を調整しました。

渋沢栄一は、帝都復興の為の3原則を掲げました。

1.罹災者の救助
2.義援金の募集と配分
3.復興計画

義援金は海外にも要請しました。渋沢栄一は、海外でも信頼が厚く、特に米国からは1060万ドルも贈られてきました。360円換算で38億円、現在の貨幣価値にしたら1兆円に上るかも知れません。

渋沢栄一は、関東大震災を天罰と思っていました。

経済界は、渋沢栄一の道徳をベースとした資本主義を忘れ、私利私欲に走り、神仏の怒りを買ったのだと思っていました。

これって、まさに今回の東日本大震災と状況が酷似していますね。
渋沢栄一が生きていたら、同じ事を思っていたかも知れませんね。

さて、この記事は6月8日に行われた渋沢栄一記念財団と東京商工会議所主催の東日本大震災シンポジウム「渋沢栄一の経験から考える、いま「民」にできること」から学んだことを基に書いています。

東京商工会議所は、明治11年(1878年)に渋沢栄一が設立しました。

設立目的は、商工業の発展繁栄の為ですが、もう1つの目的として、当時諸外国と不平等条約に苦しんでいた日本企業の世論形成の場としての意義を持っていました。
ここで産業界の意見をまとめ、不平等条約の解消に一役買いました。

東日本大震災シンポジウムでは、各界から各種意見が出されました。

東京商工会議所からは、今後は国家ビジョンを持つべきだ。そのビジョンとは、福祉国家論ではなく、経済成長路線を歩むべきだとの提言が出されました。
企業が強くなり、その結果、個人の所得が増え、税収増となって還流していくことが望ましい。
5%の法人税の引き下げが見送られたが、国際競争力を付ける為にも減税は必要。更には、TPPには積極的に加入すべきとの意見でした。

復興財源としては、5年の復興国債を発行する。その財源として消費税を充てることを提言しました。

一方、NPO法人の責任者からは、これを機に金の流れを変えるべきだ。NPO法人が政府に代わりやれるべき分野は多数ある。その方が安く、効率的にできる。

最後のまとめとしては、アメリカンドリームは、ビバリーヒルズに豪邸を建てることだが、ジャパニーズドリームは違う。
渋沢栄一は、論語を中心とした精神性の教え、他人が喜んでくれることが嬉しい。精神性がベースになければ、真の成功とは言えない。そのことを渋沢栄一は望んでいたことと思います。

◆◆◆◆◆◆編集後記◆◆◆◆◆◆◆

渋沢栄一は、堺屋太一書「日本を創った12人」の1人に挙げられています。明治からは、もう1人大久保利通が挙げられています。

もし、渋沢栄一が今生きていたら、東日本大震災の国難を救う為に、関東大震災と同じ事をやっていたことでしょう。
その精神はまず己を捨てることです。

今の民主党政権菅内閣は、己を捨てるどころか、東日本大震災を利用して、いかに政権の延命を図るか、そんなことしか考えていないので、国民から総素菅(スカン)を食らっています。

愚か者はタイタニック号が浸水していることすら気付きません。水浸しになって来た甲板を、パニックって水を船外に出そうと必死になっているように見えます。部下が水を思うように出せずにいるのを見て、トップが怒鳴り散らしている、そんな光景が私には見えます。

一方、東日本大震災復興の為に、産業界は消費税増税止むなしとの意見のようです。TVでも多くの有識者が同調しています。

しかし、これらの発言者は増税しても全員影響がない人たちです。大半の国民は影響を受けます。特に今後増加する年金受給生活者にとっては死活問題です。5%から10%に増税されれば、消費は5%落ち込みます。場合によっては、消費者心理からもっと買い控えが起きるかも知れません。

「消費税を上げたら消費が落ち込み景気が悪化する」、これは過去2回の経験から実証済みです。

「愚か者は歴史に学ばず、目先の利害で動く」という法則を忘れないで欲しいと思います。

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