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2011年7月 7日 (木)

「マーキュリー通信」no.1718【キヤノン電子酒巻社長が語る「論語とそろばん」と現代経営】

今年は渋沢栄一没後80年ということで各種行事が行われています。渋沢栄一記念財団では4回に亘って「論語とそろばん」セミナーを行い、本日が最終回でした。

本日は、一橋大学田中一弘教授がキヤノン電子酒巻久社長に問いかけるという対談形式で進められました。

さすが現役社長を10年以上続けられているとあって、本日は多くの学びを得ました。

20世紀最高の経営学者ドラッカーは渋沢栄一から多くのことを学びました。

それもそのはずドラッカーは、儒教は"universal ethics"だと捉えていました。だから、ドラッカーが渋沢栄一の著書に接した時、ぴんと来るものがあったわけです。両者の思想には共通点がかなりあります。

酒巻社長は、ドラッカーのマネジメント理論「自分の強みを活かせ」に勇気づけられました。

酒巻社長は、技術畑出身ですが、他の技術者と比べ、自分に抜きんでたところがないことを悩んでいました。
しかし、技術に関するジェネラリストの酒巻社長は全ての分野に平均点以上の力を持っていました。

基礎技術力では適わなくても、応用技術で酒巻社長は力を発揮することができました。自分の強みを活かすことで、キャノン本体で出世し、子会社のキヤノン電子の社長の座を射止めることになりました。

さて、論語とドラッカーの共通点は「忠恕(チュウジョ)」だと酒巻社長は語る。恕とは、「自分がやられて嫌なことは他人にしない」ことです。

一般的な倫理観は組織に向かないというのがドイツ哲学の大御所カントの考え方ですが、ドラッカーはこれに反論する。ドラッカーの思想の根本は儒教に根ざしている。

この考え方は、酒巻社長の経営哲学に見事に反映されている。
キヤノン電子では、従業員を大切にしている。会社が儲かればその分従業員にきちんと分配することを明確にしている。

従業員がムダを節約し、利益を上げれば自分たちの給料が上がることを知っている。
だから個々の従業員が何をすべきかをいつも考えている。これが従業員に浸透している。

同社の成長、成功の原因は、いつも相手の立場に立って考えていることだ。これが個々の従業員まで徹底している。

同社では税前利益20%を目標にしているが、従業員にこの考え方が徹底しているので、この目標を達成することができた。

例えば、東日本大震災以降電力に対する考え方が180度変わった。これまで電力にふんだんに使えるものと考えていた。それが日本企業の成長の原動力だった。

しかし、震災以降、電力は貴重な資源となった。その為にどうしたら良いのか、従業員一人1人が真剣に考え、その結果25%の電力削減に成功した。

ピンチをチャンスと捉え、前向きにチャレンジしていけば企業の飛躍に繋がる。

渋沢栄一は、道徳経済合一説を提唱した。

日本の教育では、ルールを守ることをきちんと教育してこなかった。従って、新入社員教育ではルールを守ることを徹底させている。

一例として、コンプライアンスに関しては、ルールを守ることをキヤノン電子では徹底している。新入社員に「会社のルールを守ること。もし、ルールを破ったら退職させる」旨、誓約書を提出させている。

例えば、会社は全面禁煙。ルールを破って喫煙した社員をクビにしたこともある。製造会社なので、ルールを破ると大きな事故や、会社に大損害を与えるリスクが発生する。

最後に従業員教育の基本は、夢と目標を与えること。しかし、トップにその夢や目標がなければ、従業員には伝わらない。

ハーバード大学の学生200人に卒業30~40年後にどうなったのかを追跡調査した結果がある。

200人の内、半分は卒業時に夢を持っていた。彼らの成功率は99%だった。残りの半分は成り行きで卒業した。彼らの成功率は僅か2%だった。

このデータからも、いかに夢を持つことが大事であることを物語っている。

最後に、経営者の教育は、30代の頃から徹底的に経験を積ませることが重要。50代になってからいきなり幹部に登用しても、経験がないとなかなか社長の座は務まらない。

酒巻社長のお話を聞いていて、現代の日本の混迷は、総理になる為の教育と経験を全くしてこなかった1市民運動家が偶々総理になってしまったことに起因することがよく理解できました。

◆◆◆◆◆◆編集後記◆◆◆◆◆◆◆

本日の酒巻社長の話を聴いていて、ジェネラリストの私は勇気づけられました。スペシャリストと比べ、ジェネラリストの私は物事を多角度から見ることができ、いろいろな出来事をコーディネイトし、応用動作を考えることもできます。

そして、酒巻社長が、成功の要素として「素直さとやさしさ」が重要と語られていましたが、これも私の強みなので、今後はこの部分を経営にも活かしていきたいと思います。

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