「マーキュリー通信」no.1858【ワンポイントアップの人間力-12「宗教心を持つ」】
戦後の日本人で一番失われたものが宗教心と言われています。宗教を色眼鏡で見る人が非常に多いようです。
しかし、人間力をアップさせるには宗教心が非常に大事なのです。もちろん正しい宗教が前提です。オウムのような邪教に入信すると、それこそ人生を狂わされるので、新興宗教に対し、警戒心を持つ人が多いようです。
武田信玄が、名うての猛者連中、武田の家臣団をまとめることができたのは、出家してからです。信仰心を持ち、部下に限りない愛情を注いだからです。
一方、現在米国の大統領選では、サントラム候補が、神への忠誠を誓うことが評価の一因となり、本命ロムニー氏を追い上げています。
私がカナダ三井物産に駐在する前の研修で、人事部から「カナダ人の前で自分は無宗教と言ってはいけない。仏教徒と答えるように」とアドバイスを受けました。もし、無宗教と言ったら、それはけだもの同然の人間と思われ、警戒されるからです。
さて、宗教心をつけるのに、八正道をお薦めします。八正道は釈尊が8つの正しい道を説いたモノです。
正見、正思、正語、正業、正命、正精進、正念、正定の8つの反省項目です。
この8つをマスターするのは多忙な現代人には困難と言えます。
従って、正見、正思、正語の3つを毎日1日が終わった時に、行えば良いと思います。私は入浴の時と、就寝時に行っています。
正見とは、本日1日を振り返り、縁起の理法に従い、良い種を蒔いたかです。
良い種を蒔けば良い芽が出ます。
他人の為に、今日も一生懸命働いたかどうかを反省してみます。もし、そうと思える1日を過ごしたと思えるなら、その日は幸福感がみなぎってきます。
その逆に人を欺すようなことをしたら、決して心は穏やかでないはずです。
正思とは、正しい思いです。
これは心の三毒である「貪・瞋・癡(とんじんち)」を反省します。
貪(とん)とは、貪りの心です。必要以上に、モノ、カネ、異性、名誉、地位等に対し、あれも欲しい、これも欲しいと貪っていなかったかを反省します。
瞋(じん)とは怒りの心です。今日一日心が怒りで波立たず、平穏な一日を送れたかどうかです。
癡(ち)とは愚かな心です。知らないことによっていろいろな問題を起こすことになります。
この貪瞋癡の心の三毒の中で、最後の癡の部分で人は一番失敗を起こします。
正語とは、正しく語ったかです。通常は、正思ができていると正語に繋がるのです。
あなたの周りの人とのコミュニケーションは、この正語が大半と言えます。あなたの発した言葉、言葉遣いで、あなたの人間性、人格を判断されます。
しかし、本音と建て前が違う場合も多いので、正思と正語が一致させることも大事です。
このトレーニングを毎日実践するだけも、人間力はアップしていきます。
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