「マーキュリー通信」no.1970【Bob Sugayaのワンポイントアップの英語術-10「英英辞典を活用すると語彙が増えます」】
私は高校を卒業してからは、英語の辞典は英英辞典を基本的に使っています。
丁度日本語で不確かな言葉に出会ったら日本語の辞書を引く感覚です。
日本には間違った和製英語が氾濫しています。
例えば、claimなどその最たるモノでしょう。英語のclaimには日本語で意味するクレーム(苦情)という意味はありません。況んやクレーマー等という言葉も存在しません。
claimの本来の意味は、空港等にあるスーツケースのbaggage claimの意味、即ち荷物を請求するという意味です。
claimを英英辞典で調べると、
1.to assert or demand possession of or recognition of one's right to
2.to declare as a fact or as true.
3. to call for or request
とどこにも苦情という意味は載っていません。名詞のclaimもありますが同様
です。
一方、英英辞典をひくメリットとして、語彙が増えることです。
例えば、tearという言葉があります。
ティアと発音すると涙です。drop of the clear, slightly salty fluid secreted by the lacrimal gland in the eye, which lubricates the eyeballs and keeps them free from foreign bodies, and which in weeping and crying flows from the eye.
非常に「涙」を具体的に描写していますよね。
一方、tearをテアと発音すると「裂く」という意味になります。
to pull,split or separate into pieces, as by force or with a sharp edge, usually so as to leave ragged or irregular edges: to tear a paper into half.
こちらの語源は、古英語のteranから来ており、涙のtearとは全く異なり、to rend(古英語), lacerate(ラテン語が語源)と同義で、共に(引き裂く)という意味です。
英英辞典を活用すると、語彙が芋づる式に増えていきます。
◆◆◆◆◆◆編集後記◆◆◆◆◆◆◆
私が普段愛用している英英辞典は、30年前にカナダで購入したMACMILLAN
DICTIONARYです。10万語収録の中型辞書(1158ページ)です。値段は当時のカナダドルで$6.95(1181円)です。
現代の流行語、特にIT関係は載っていませんが、通常の言葉ならこれで十分用が足りています。
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