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2013年2月15日 (金)

「マーキュリー通信」no.2108【安倍晋三著「美しい国へ」を再読して】

本書は、2006年9月首相就任直前に発売されものです。

安倍晋三氏は、真の保守政治家、即ち天皇制を維持しながら現代の日本の問題点を変えていくことに強い決意を持った政治家であり、特に本書では教育改革と、憲法9条の改正を強く訴えています。本書を読むことで安倍首相の実像の一端を知ることができ、我が国のトップを任せるに足る人物と思います。

第一次安倍政権では、宿敵朝日新聞を始めとした左翼勢力の強力なバッシングに遭い、期待の安倍丸はわずか1年で撃沈されてしまいました。

安倍首相は、岸信介元首相の孫であることはよく知られています。岸元首相は、それこそ身命を賭して、日米安保条約を成立させました。もし、安保条約が成立していなかったら、今の日本はなかったかもしれず、その意味で戦後の首相の中で私は岸信介元首相を一番に評価しています。

安倍首相も、祖父の影響を受け、日米同盟の重要性を実感しながら、現在の平和憲法と評する日本国憲法の危うさに危機意識を強く持っています。

本書発刊後7年が経過し、中国の日本侵略危機が現実味を帯びてきたので、国防の重要性は当時よりも増しています。その意味では、安倍氏の再登板は絶好のタイミングといえます。

もう1つの柱は、日教組によって歪められた自虐史観教育を本来の正しい教育に戻そうとする考え方です。

日中国交回復の時に、お互いの内政干渉は止めようということになっていたはずなのに、歴代内閣は弱腰外交で、靖国神社問題や教科書問題で中国に内政干渉をされ続けています。こういう歪んだ関係を是正することが急務と安倍首相は考えています。

一方で安倍首相は、それほど経済政策に強くないため、本書で深く取り上げていないことがモノ足りません。

今回は、自身の弱みをカバーしながら、アベノミクスを推進しているのでお手並み拝見です。

又、安倍首相は、徹底的な小さな政府よりも、社会保障制度を充実させながら、比較的小さな政府をイメージしているようです。若い人でも払い込んだ社会保険料の倍は戻ってくるので安心するよう訴えています。

しかし、これは甘いといわざるを得ません。ゼロ成長経済で、自分の払い込んだ社会保険料が2倍になることはあり得ません。

ちなみに、年金のシミュレーションをしてみました。

65歳以降20年間生存したとして、夫婦2人の生活費は最低でも月額25万円、年間300万円程度は必要です。20年間で6000万円必要となります。

これを現役時代にに積み立てるとすると、大学を卒業して65歳までおよそ500ヶ月です。
大学新卒月から毎月2万円積み立てたとします。これを労使折半します。個人負担は1万円です。
毎年、2千円/月ずつ(個人負担分は1千円/月ずつです)あげていくと、42年後の月額支払金額は、184千円となります。個人負担はその半分です。

インフレもデフレもなく、金利はつかない前提で計算すると、65歳の定年までに労使双方で

積み立てた年金額は約5000万円、月額の給付額は21万円程度となり、ぎりぎりの数字です。

今後、安倍首相は、国民に甘い言葉をささやくだけでなく、数字で明確に示し、官主導でなく政府と国民が一体となった年金改革をしていく必要があると思います。

◆◆◆◆◆◆編集後記◆◆◆◆◆◆◆

野田前首相も3年前の政権交代前に、出版しました。こちらは天下り費用12兆円は消費税5%に相当するので、天下りを全廃すれば、消費税のアップは一切不要と書いています。

にも関わらず、消費税増税に政治生命をかけて、法案を通しました。私はこういう嘘を平気でつく政治家を信用できません。

一方、民主党の場合、マニフェストに書いた公約はほとんど実現しませんでしたが、国民に公約してない裏マニフェストの実現には過去3年間で全力投球してきました。

いわゆる悪法3法といわれている「永住外国人の地方参政権」「人権擁護法案」「夫婦別姓」です。

これら悪法三法の法案が通過したら、日本の政治経済社会体制は崩壊していきます。

民主党政権の3年間で、日本の政治経済社会体制の劣化が著しく進んだので、安倍政権にはこの部分にも期待がかかります。

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

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