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2013年3月 7日 (木)

「マーキュリー通信」no.2123【アサヒビール元会長中條高徳氏の「シェア60%のキリンビールに挑戦したシェア10%割れのアサヒビールの戦略とは?」】

美(うま)し国経営者連盟主催でアサヒビール元会長中條高徳氏が「シェア60%のキリンビールに挑戦したシェア10%割れのアサヒビールの戦略とは?」を拝聴しました。

中條高徳氏は美し国の最高顧問でもありますが、現在86歳の高齢にもかかわらず、原稿を一切見ないで語るその迫力ある語り口調には年輪を感じました。私は最前列で中條高徳氏の表情までよく観察させて頂きました。

中條高徳氏は、本題に入る前に、日本の置かれている歴史認識を語りました。

昭和20年8月15日は、価値観が180度変わった日でした。

それは戦争の勝者である米国占領軍(GHQ)による「永久に米国の敵にならないような国にする統治」でした。
日本の民主化と称して、昭和22~23年頃教育改革を徹底して行いました。戦前の良い教育制度を徹底的に破壊しました。民主主義を前面に押し出し、人間学を粗略にしました。そして、戦前の軍国主義教育を全面否定しました。
労働組合を結成させ、戦前の価値観粉砕のために、左翼勢力も活用しました。

しかし、5年後の昭和25年に朝鮮戦争が勃発し、米国は共産主義の恐ろしさを実感し、占領地政策を転換します。

日本は米国になくてはならない自由主義の砦となりました。マッカーサーは広島、長崎の原爆投下を反省しています。

さて、占領政策の一環として、大企業は分割されました。戦前の大日本ビールは、アサヒとサッポロの2社に分割されました。名古屋以西がアサヒ、以東がサッポロです。当時の大日本ビールのシェアは75%のガリバー企業でした。これに対し、キリンは25%と弱小企業でした。

この企業分割は大打撃で、アサヒとサッポロのシェアは低下の一途を辿り、一方キリンのシェアは上昇し、ついには逆転されます。

昭和60年(1985年)には、アサヒのシェアは10%を切ります。これに対しキリンのシェアは61%と戦前の全く逆となります。

すっかり弱者となったアサヒの反撃がここから始まります。

中條高徳氏は、これまでのプロダクトアウトという生産者中心の考えを180度変え、マーケットインという消費者中心のマーケティング戦略に切り替えます。

そして、膨大な調査の結果、これまでアサヒが標榜してきた生ビールの徹底追求が消費者志向ということが分かりました。

中條高徳氏は、夢の再チェックをしました。生ビールの生命は「こく」と「きれ」であり、こ

の夢=志の実現に向かい邁進しました。商品名は中條高徳氏のトップダウンで社員が反対した「スーパードライ」に決まりました。

キリン追撃の為に、TQC(総合品質管理)をもじりA(アサヒ)QCを実行しました。

又、CI(corporate identity)を調査すると、アサヒは夕日ビールと揶揄され、凋落していく

ビール会社のイメージでした。このイメージアプのためにCI戦略を採用しました。

更には、キリンとの戦いに勝つために、孫子の兵法を活用しました。

孫子の兵法では弱者が強者に勝つ戦略として、下記4つを上げている。
1.少数精鋭
2.局所優勢
3.個別撃破
4.奇襲戦

中條高徳氏は、この弱者の戦略を果敢に実行し、平成15年(2003年)にはキリンを追い抜き48.2%のシェアを獲得しました。この時キリンのシェアは31.5%でした。シェア10%を切ってから18年でキリンを抜き去るという快挙を成し遂げました。ピーク時は平成22年の50.6%でした。この時のキリンのシェアは13.7%にまで凋落し、立場が全く逆転しました。

中條高徳氏は、「アサヒでもできたのだ。だから業界の2番手以下の企業でもトップになることはできる」と、勇気を与えて頂きました。その為に、孫子の兵法は有効であると。

中條高徳氏の書かれた「小が大に勝つ平方の実践」(WAC出版886円+消費税)は名著です。経営戦略にも役立つと思いますのでお勧めです。

◆◆◆◆◆◆編集後記◆◆◆◆◆◆◆

中條高徳氏が語ったように戦後の日本の政治社会はマッカーサーの戦前の全面否定の教育が徹底され、その影響が色濃く残り、現代の日本の政治社会に大きな影響を与えています。

その結果、日本人の精神的荒廃が進み、戦前大切にしていた「天皇陛下を敬う、親を大切にする、礼節を尽くす」といった価値観が古くさいモノとして軽視されています。

美し国は、戦前の日本の良い文化を復興するために設立された団体で、私もその考え方に共鳴しています。

同様の価値観を掲げる団体は他にも私が知るだけでも「幸福実現党」、「日本会議」、「新しい歴史教科書を作る会」等があり、私も会員登録し、応援しています。

今後これらの団体が一致団結し、日本をよくしていく動きができれば、中国の尖閣諸島侵略を始めとする現在の国難を乗り切ることができると思います。

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