「マーキュリー通信」no.2436【がんもどきで早死にする人、ホンモノのガンで長生きする人】
近藤誠著「がんもどきで早死にする人、ホンモノのガンで長生きする人」(幻冬舎)と「余命3カ月」のウソ (ベスト新書) は、私の予防医学の考え方に衝撃を与えました。
近藤先生は、慶応大学医学部を卒業し、長年放射線治療に携わってきた専門家で、現役の慶応大学病院の医師です。
がんには2種類あり、他に転移していないがんは、欧米ではがんとは認めていません。なぜなら他に転移していないがんは、命を奪わないからです。これを近藤先生は、がんもどきと呼んでいます。
早期がんで発見されるがんはこれです。体に不調がない場合、がんもどきといえます。
日本では、早期がんの発見を官民挙げて国民に訴えていますが、これは全く無意味だそうです。
人間ドック等で早期がんが発見された場合、日本の病院では手術又は抗がん剤を投与しようとします。しかし、これは患者の命を縮めるだけであって、百害あって一利なしとのことです。
早期がんは放置しておけば良いのです。まれにホンモノのがんが見つかることがありますが、それでも手術又は抗がん剤の投与は、患者を苦痛に追い込むだけで、医者が儲かるだけです。ホンモノのがんにかかった場合、現代医学は通用しないそうです。
医師から、「余命3ヶ月」を告げられることが良くありますが、安易に「余命3ヶ月」を告げる医師は信用しないことです。
ホンモノのがんにかかった場合、個人差が大きく、半分の人は1年生きることが統計学上わかっています。もちろんそれより短命の人もいますが、3ヶ月でなくなることはまずないそうです。
中には5年生きる人も多数おり、中には10年近く生きる人もいます。
医師のアドバイスに従い、手術又は抗がん剤を投与した場合、一気に寿命が縮まることが多いそうです。
歌舞伎の中村勘三郎さんは、食道がんの早期発見で入院しました。前日、ゴルフコンペで準優勝したくらい元気でした。
しかし、手術の結果、容態は急変し、入院後、4ヶ月で53歳の若さで命を落としました。
ではなぜこういう悲劇が起きるのでしょうか。
それは政財官界の利権構造が色濃く反映されています。
製薬会社の新薬開発の認可基準は甘く、新薬で大きな利益を得られます。
病院は、手術と抗がん剤で儲かります。
厚労省には、製薬会社からの天下りがあります。
政治家は病院、製薬会社は大きな票田となります。
だから早期がん発見→手術、抗がん剤投与という儲かる仕組みができあがりました。
国民の立場からみれば、人間ドック等で早期がん検査をしない。仮に早期がんが発見されても、死にたくなければ絶対に手術又は抗がん剤の投与は受けない。
万一、ホンモノのがんが見つかったら、手術又は抗がん剤治療はしないことをベースに、良心的な医師と相談しながら治療を受ける。
現代医学が発達する以前、高齢者の死亡原因の多くはがんだったそうです。がんにかかるとだんだんと食が細くなり、最期はそれほど苦痛を覚えずに、安らかに「畳の上」で死ぬことができます。
そういえば私の祖母も、胃がんでしたが、最期はそれほど苦しまずに、畳の上で死にました。
国民総医療費は現在40兆円にふくれあがっていますが、その内がん治療費用、終末医療費用等病院の利益追求のために使われている医療費は推定で10兆円以上に及ぶとみられています。
この分だけでも、削減したら消費贈税しなくてもすみます。
近藤先生は、放射線治療医師として、手術又は抗がん剤を投与しない治療方針で23年に亘り実施してきています。
ビジネスの観点から見たら自分の首を絞めるような行為です。又、業界の猛反対があったことと思いますが、その勇気に脱帽です。
詳しくは近藤先生の著書をご覧ください。
◆◆◆◆◆◆編集後記◆◆◆◆◆◆◆
私自身普段から健康管理をしっかりとやっています。予防医学の観点から毎年人間ドックに行っていましたが、今後は止めることにします。
その代わり体調の異変を感じたら、すぐに医者に行くことにします。
先日も大腸がんの検査を受けました。検査結果はOKでしたが、来年以降は受けないことにします。
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